北大、近赤外光による水の光酸化に成功。人工光合成への応用期待

北海道大学の研究グループが、紫外、可視、近赤外領域の広い波長域で光電変換可能な金ナノ構造/酸化チタン電極の作製に成功した。人工光合成において重要な役割を持つ水の光酸化に関して、可視光だけでなく近赤外光によって酸素と過酸化水素を発生させる系を実現した世界初の成果であるという。赤外光を利用した太陽電池や、人工光合成への応用が期待される。
北海道大学の研究グループが、紫外、可視、近赤外領域の広い波長域で光電変換可能な金ナノ構造/酸化チタン電極の作製に成功した。人工光合成において重要な役割を持つ水の光酸化に関して、可視光だけでなく近赤外光によって酸素と過酸化水素を発生させる系を実現した世界初の成果であるという。赤外光を利用した太陽電池や、人工光合成への応用が期待される。
ミシガン工科大学の材料科学者 Yun Hang Hu 教授らが、色素増感太陽電池に使用される白金を三次元グラフェンで代替することに成功した。太陽電池の変換効率を落とさずに、高価な白金を安価な炭素材料で置き換えることができるという。
米国ワシントン大学と英国ケンブリッジ大学の研究チームが、有機太陽電池を高性能化する新たな方法を発見した。セル中の電子のスピンを操作して電子と正孔の再結合を防ぐことによって、変換効率の向上がを可能になるという。有機半導体デバイスの開発において、新たな設計指針になると期待される。
東京大学工学系研究科 田畑仁教授、関宗俊助教らが、安価で身近な素材である赤さび(酸化鉄)を改良することで、高効率の太陽光発電を実現した。ロジウム入りの赤さび薄膜を用いた光電気化学セルで、波長700nm~950nmの近赤外域で光電流を発生させることに成功した。太陽電池や水素生成用光触媒への応用が期待される。
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームが、色素増感太陽電池でセル変換効率15%を実現した。ペロブスカイト系色素を多孔性金属酸化膜内へ二段階に分けて蒸着させるプロセスを用いることで、セル性能のバラつきや安定性の低下が抑えられているという。
オレゴン州立大学の研究チームが、安価なトリエチレングリコールを溶媒に用いたCZTS(銅・亜鉛・スズ・硫黄)化合物薄膜太陽電池の製造法について報告している。トリエチレングリコールは自動車用ラジエータの凍結防止剤としても広く利用されている材料。同技術が確立されれば、環境負荷の低いCZTS太陽電池が低コストで量産可能になるとみられる。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、グラフェンなどの2次元系材料を用いた太陽電池の研究を進めている。1nm厚の極薄太陽電池シートで理論的には変換効率1%程度を確保できるという。重量あたりの出力を比較すると、既存の極薄太陽電池の100~1000倍という高出力を実現できることになる。
産業技術総合研究所(産総研)太陽光発電工学研究センター 太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体の増田淳氏と原浩二郎氏が、Potential-induced degradation(PID)現象による結晶シリコン太陽電池の出力低下を抑制する技術を開発した。酸化チタン系の複合金属化合物薄膜をガラス基板にコーティングする。サスティナブル・テクノロジー(STi)との共同研究。
イェール大学の研究チームが、蛍光色素を利用した高分子太陽電池の高効率化技術について報告している。高分子太陽電池の光電変換層に蛍光色素スクアラインを添加することにより、変換効率が38%増加した。蛍光色素導入後の変換効率は4.5%となった。