東北大、世界初・2層グラフェン層間化合物を作製。マイクロバッテリや超薄膜超伝導デバイスに応用期待

東北大学原子分子材料科学高等研究機構の菅原克明助教、一杉太郎准教授、高橋隆教授らの研究グループは、グラファイト2層の間にカルシウム原子を挿入したサンドウィッチ状の2層グラフェン層間化合物の作製に世界で初めて成功した。グラフェンを用いた高効率なマイクロバッテリや超薄膜超伝導デバイスへの応用が期待される。
東北大学原子分子材料科学高等研究機構の菅原克明助教、一杉太郎准教授、高橋隆教授らの研究グループは、グラファイト2層の間にカルシウム原子を挿入したサンドウィッチ状の2層グラフェン層間化合物の作製に世界で初めて成功した。グラフェンを用いた高効率なマイクロバッテリや超薄膜超伝導デバイスへの応用が期待される。
米ノートルダム大学とパデュー大学の研究チームが、マヨラナ粒子を検出するための超伝導/半導体ハイブリッドデバイスを開発し、実際にマヨラナ粒子存在の証拠となる現象を観測したと報告している。マヨラナ粒子は、1937年にイタリアの理論物理学者エットーレ・マヨラナが存在を予想した素粒子。粒子自身がその粒子の反粒子でもあるという特異な性質を持つ。
テルアビブ大学の研究チームが、光の照射によって超伝導体の超伝導転移温度Tcを制御できることを実証したとのこと。光によるTc制御を利用することで、排熱などのエネルギー消散がない電気的スイッチやメモリデバイスを作れる可能性があるという。
コーネル大学とブルックヘブン国立研究所が、鉄系高温超伝導の発現機構に関する仮説を支持する実験データを確認したとのこと。実験データは、鉄系高温超伝導体おいて超伝導を担う電子のクーパー対形成に電子の磁性(スピン)の相互作用が深く関わっていることを示唆するものであり、高温超伝導の発現機構の解明や、より高温で動作する新規の高温超伝導材料の開発に指針を与える成果であるとしています。
米国立標準技術研究所(NIST)らが、小型の原子磁気センサによるヒトの脳波測定に成功したとのこと。心的プロセスの研究や神経疾患の病理解明など、バイオ医療分野への原子磁気センサの応用に道を開く成果として注目されます。
カリフォルニア工科大学の研究チームが、銅酸化物の高温超伝導発現メカニズムを説明する仮説を提起しています。また、この仮説に基づいて、より高温での超伝導体を作り出せる可能性があるとも指摘しています。
スウェーデン・チャルマース工科大学の研究チームが、真空から光子を生成する実験に成功したとのこと。真空のゆらぎの中で仮想粒子の生成・消滅が起こる「動的カシミール効果」を実験的に観測した世界初の例だといいます。
GEが、MRI用の超伝導磁石を風力発電タービンに応用する研究開発を開始したとのこと。これにより、10~15MWクラスの大型風力発電の高効率化と低コスト化をめざすとしています。
高温超伝導における対称性の破れに関する理論が、実験データとよく一致することを、コーネル大学の研究チームが実証したとのこと。高温超伝導現象の理論的解明を進める成果として注目されます。