京大、世界最小の炭素リングを合成。次世代の有機電子材料として期待

京都大学 化学研究所の山子茂教授らの研究チームは、5個のベンゼン環をリング状につなげた構造を持つ、世界最小の炭素リング「シクロパラフェニレン(CPP)」の化学合成に世界で初めて成功した。有機ナノエレクトロニクス材料開発への波及効果が期待される。
京都大学 化学研究所の山子茂教授らの研究チームは、5個のベンゼン環をリング状につなげた構造を持つ、世界最小の炭素リング「シクロパラフェニレン(CPP)」の化学合成に世界で初めて成功した。有機ナノエレクトロニクス材料開発への波及効果が期待される。
東京工業大学 異種機能集積研究センターの大場隆之特任教授は、東京大学、大日本印刷、PEZY Computing、WOWアライアンスと共同で、40Vの低電圧で1cm2当たり140W冷却することができるチップ状の冷却装置(C3S:Closed-Channel Cooling System)の開発に成功した。
ロンドン・ナノテクノロジー・センター(LCN)とブリティッシュコロンビア大学の研究チームは、青色顔料である銅フタロシアニン(CuPc)において電子の量子重ね合わせ状態が非常に長い時間持続することを発見した。安価な顔料を将来の量子コンピュータの記録媒体にできる可能性がある。
NECとTASC(技術研究組合 単層CNT融合新材料研究開発機構)が、印刷カーボンナノチューブ(CNT)薄膜トランジスタにおいて、高速動作させた際の寄生成分の低減と出力電流の向上に成功し、電子機器の制御回路への応用が可能な動作速度500kHzを実現した。
調査会社ディスプレイサーチが、フラットパネルディスプレイ(FPD)用の酸化物薄膜トランジスタ(TFT)に関する市場予測を発表している。2016年には、酸化物TFTの生産能力が低温ポリシリコン(LTPS)を上回ると予測している。
北海道大学の研究グループが、紫外、可視、近赤外領域の広い波長域で光電変換可能な金ナノ構造/酸化チタン電極の作製に成功した。人工光合成において重要な役割を持つ水の光酸化に関して、可視光だけでなく近赤外光によって酸素と過酸化水素を発生させる系を実現した世界初の成果であるという。赤外光を利用した太陽電池や、人工光合成への応用が期待される。
名古屋大学の大野雄高准教授らとフィンランド・アールト大学の研究チームが、カーボンナノチューブ(CNT)のみでトランジスタや配線を構成した全カーボン集積回路を世界で初めて実現した。電子移動度は 1000cm2/Vs 超となっており、透明でフレキシブル性がある。任意の立体形状に熱成型することもできる。デザイン性と機能性を併せ持つプラスチックデバイスへの応用が期待される。
東京大学工学系研究科 田畑仁教授、関宗俊助教らが、安価で身近な素材である赤さび(酸化鉄)を改良することで、高効率の太陽光発電を実現した。ロジウム入りの赤さび薄膜を用いた光電気化学セルで、波長700nm~950nmの近赤外域で光電流を発生させることに成功した。太陽電池や水素生成用光触媒への応用が期待される。
大阪大学の研究グループが、EUV露光による最先端の半導体デバイス製造のスループット(1時間あたりのウェハー処理枚数)を10倍以上向上させる技術を開発した。極端紫外線(波長13.5nm)を用いるEUV露光装置では、露光光源のパワーが低いため、スループットが目標の10分の1程度と低いことが課題となっていた。