ジョージア工科大、酸化亜鉛ワイヤの圧電効果を利用してLEDの性能向上

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ジョージア工科大学の研究チームが、酸化亜鉛(ZnO)のマイクロ/ナノワイヤを使ってLEDの性能を向上させる技術を開発したとのこと。ZnOに機械的歪みを加えると電荷が発生する圧電効果を利用することで、紫外線LEDの変換効率が4倍超向上したとしています。

実験に用いられたLEDデバイス (Image courtesy of Georgia Institute of Technology)

実験に使われたデバイスの構造は、窒化ガリウム(GaN)薄膜のとなりに10μmの間隔を取ってサファイア基板(陰極)を形成し、この間にZnOワイヤを渡すというもの。GaN薄膜はサファイア基板上にMOCVDで成長させ、マグネシウムをドープすることでp型半導体とし、n型のZnOとの接触界面にpn接合を形成。ZnOワイヤは透明なポリスチレン・テープで覆っておき、ピエゾ・ナノ位置決めステージに接続したアルミナ・ロッドによってテープに力を加えたときにワイヤが歪むようにしました。

ZnOワイヤに圧縮歪みをかけることで生じる「ピエゾ・フォトトロニック効果」によりLEDの発光性能が向上する (Zhong Lin Wang, et al. 2011 / DOI: 10.1021/nl202619d)

このデバイスでは、ZnOに歪みを加えたときに生じる圧電ポテンシャルがゲート電圧として働くことで、電荷移動が調整でき、キャリア注入が増強されるといいます。研究チームは、この効果を「ピエゾ・フォトトロニック効果」と呼んでいます。

研究チームによると、圧電効果で生じる局所的電荷によって作られるチャネルにおいて、キャリアがpn接合部でトラップされるようにバンド構造を調整することができるとのこと。実験では、0.093%の圧縮歪みを加えることにより、一定の電圧印加に対して発光強度が17倍、注入電流が4倍増強され、変換効率が4.25倍向上することが示されました。

この大幅な性能向上は、圧電ポテンシャルによってバンド調整がなされ、pn接合部で正孔がトラッピングされた結果、バイアス電圧が局所的に増加することでもたらされると考えられています。

実験で用いられたLEDは、波長390nmの紫外線LEDですが、研究チームのリーダー Zhong Lin Wang氏によれば、LEDの波長は可視光領域まで拡張可能であるとのこと。またLEDに限らず、電界制御可能な様々な光学デバイスにこの技術が適用できるとしています。

「この研究は、圧電効果を使った光学電子デバイスの調整という新たな領域を切り開くものです」とWang氏。「世界中で莫大なエネルギーが照明に使われていることを考えれば、LED照明の効率向上による大幅な省エネルギー化は、非常に重要な技術となってくるでしょう」


発表資料

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