コーネル大ら、自然の綿でトランジスタを作製

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米コーネル大学らの研究チームが、自然の綿を材料に用いたトランジスタを開発したとのこと。この技術を使って、電子デバイスを組み込んだ機能性衣類が可能になるかもしれません。

「綿から作ったトランジスタは、エレクトロニクスと布地のシームレスな統合への新しい展望を開くものです。これにより、ウェアラブルな電子デバイスが可能になります」と同大の繊維科学准教授 Juan Hinestroza氏は話します。

綿から作った有機電気化学トランジスタ。ソース、ゲート、ドレインに使われている綿の糸は、ナノ粒子を用いたコーティングによって導体または半導体的な挙動を示すようになる (Image courtesy of Cornell University)

Hinestroza氏によれば、今回の発明は、綿を用いた電子回路など、より複雑なデバイスを作製するための土台になるといいます。体温測定や温度の自動調節、心拍数や血圧の記録、スポーツ選手のトレーニングのモニタリングなどに使える布地も可能になるかもしれません。

「おそらく、将来は綿からコンピュータを作れるようにさえなるでしょう。インカ帝国では、紐の結び目を利用して記録を行うキープという道具が使われていましたが、それと似たような感じです」とHinestroza氏。

今回開発された技術では、綿の不規則な形状に沿って金ナノ粒子を共形被覆し、半導体および導電性ポリマー層を形成することにより、自然の綿が電子的な挙動をするように仕立てているとのこと。基板として綿を選んだ理由は、機構的特性、着心地の良さ、比較的安価なこと、布地や衣類の材料として広く使われていることなどであるとしています。軽量性と持続可能性も綿の特徴です。

研究の第1ステップでは、綿の粗い形状を覆うナノ粒子の共形層を形成。その次の層に導体または半導体的な特性を付与し、最後にデバイスの構成を行いました。これらの層は非常に薄いため、綿の柔軟さが保たれたといいます。

実証されたトランジスタは、有機電気化学トランジスタと有機電界効果トランジスタの2種。両方とも、エレクトロニクス産業ではICの構成要素として広く使われています。

この研究は、コーネル大の繊維科学者、伊ボローニャ大の物理学者とカリアリ大の電気工学者、仏サンテチェンヌ国立高等鉱山学校の材料科学者による国際チームで行われたとのことです。


発表資料

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