ノースウェスタン大、DNAとナノ粒子使って結晶材料の設計・組立を自在に行う技術

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ノースウェスタン大学の研究チームが、DNAとナノ粒子を使って結晶構造を自在に設計し、組み立てる技術を開発したとのこと。自然界に存在しない新規材料の創製にも利用できるとしており、触媒、エレクトロニクス、光学、バイオ医薬、エネルギーの生成・貯蔵・変換など、幅広い分野の材料開発への応用が期待されます。

金ナノ粒子とDNAで構成された結晶格子。左から、Cr3Si、AlB2、CsCl、NaCl、Cs6C60の同形構造 (Credit: Northwestern University)

この技術は、自然界における結晶構造の形成をヒントにして開発されており、ナノ粒子は「原子」、DNAは「結合手」に見立てられます。

まず、1本鎖DNAをコーティングしたナノ粒子を分散させた溶液を用意し、そこに新たにDNA鎖を添加します。DNAで修飾された機能性ナノ粒子には、粒子表面からの距離を制御されたたくさんのDNA付着末端が存在しており、これが添加されたDNA鎖と結合します。そして隣接するナノ粒子同士の付着末端が結合することにより、ナノ粒子の微視的な配列が形成されます。

このとき、ナノ粒子の粒径やDNAリンカーの長さを制御し、その組み合わせを変えることによって、異なった形の結晶構造を作り出すことが可能となります。溶液中に無秩序に分散していたナノ粒子は、混合・加熱処理を経て、結晶格子に従った精密な配置へと組み立てられます。

研究では、ナノ粒子の粒径とDNA長の一定の組み合わせに対して、どのような構造が安定性を持つかを予測するために利用できる6種類の設計ルールが報告されています。論文では、これらのルールを使って、9種類の結晶対称性を持つ41種類の異なる結晶構造を作製していますが、ナノ粒子の粒径(5~60nm)や結晶対称性と格子パラメータ(20~150nm)などを独立変数として制御することで、ほとんど無限に近い結晶格子のパターンをつくれるとしています。

今回使われたのは金ナノ粒子ですが、同じ技術は、他の化学組成からなるナノ粒子にも適用可能とのこと。ナノ粒子の種類と、組み立てられた構造の対称性が、ともに格子の特性に影響するため、この技術は、材料開発においてその物理特性を予測・制御するための理想的な手法であるといいます。研究リーダーの Chad A. Mirkin氏は、近い将来、作りたい構造に必要な粒子とDNAの組み合わせを科学者が必要に応じて選択できるようにするソフトウェアが開発されるだろうと考えています。


発表資料

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「ノースウェスタン大、DNAとナノ粒子使って結晶材料の設計・組立を自在に行う技術」への2件のフィードバック

  1.  それにしても日立金属製の高性能工具鋼、SLD-MAGIC(S-MAGIC)のトライボロジー特性は評判になっていますね。表面にナノベアリングを生成することでかなり高いPV値を実現しているようだ。

  2.  これって、冶金研究所で開発されたんでしょ?物凄い歴史的権威がある研究所なんですね。

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