【産総研オープンラボ】国内初の最先端8インチMEMS製造ライン、工場省エネ化にも注力

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

産総研つくば東3B・3D棟に設置された8インチMEMS製造ラインを見学した。同ラインは、8インチウェハーでのデバイス製造に対応する装置を揃えた国内初のMEMS試作ライン。2011年夏から、民間企業による研究開発にも利用され始めている。

現在、既存のMEMS量産ラインは、ほとんどが4インチウェハー対応。8インチウェハーでの量産技術が確立されれば、デバイスの大幅な低コスト化が可能になると考えられるが、個々の企業が試作用の最新設備を自前で揃えることは困難なため、国家プロジェクトとして研究開発を支援していこうというもの。装置の一部は12インチウェハーにも対応している。

8インチMEMSライン前工程の設備配置図 (産総研)

前工程のある3D棟は床面積350m2で、i 線ステッパ、コータデベロッパ、マスクレス露光装置、シリコン深堀ドライエッチング装置、犠牲層ドライエッチング装置、TEOS-CVD装置、SiO2-ICPエッチング装置、メタル-ICPエッチング装置、低温CVD装置、ウェットエッチング装置、ウェハー洗浄装置、IPA乾燥機、ウェハー検査装置などが設置されている。

8インチMEMSライン後工程の設備配置図 (産総研)

後工程のある3B棟は床面積150m2。チップtoウェハー接合装置、ウェハーtoウェハー接合装置、ステルスダイサーなどの製造装置の他、X線CT、測長SEM、ウェハーSEM、超音波顕微鏡、薄膜応力評価装置、電気特性評価装置など評価・分析用装置も揃っている。

タブレット端末でエネルギー管理用データをモニタリングできるようにした (産総研)

8インチMEMSラインには「TKB812」という愛称が付いている。クリーンルーム入口に、このようなプレートがあった。末尾の「F」は前工程の意味。後工程のクリーンルームは「TKB812-B」

最新のエネルギー管理システムにより、徹底した省エネルギー稼働を行っていることも特徴。半導体用クリーンルームというと、清浄度を保つため24時間空調稼働し続けるイメージがあるが、同MEMSラインでは各所にパーティクルセンサを設置して清浄度をモニタリングしつつ、必要な場所を必要に応じてクリーンにするスマート空調制御を導入。パーティクルのモニタリングデータや電力使用状況は、タブレット端末を通して所内のどこからでも確認可能となっている。

省エネシステムは、オムロンと共同開発したもの。震災後の電力逼迫により、今夏は産総研全体で電力使用量30%削減の目標が設定され、同ラインに対しても夏場の稼働停止要請があったが、「省エネ対策は徹底されている」として稼働を継続。結果として、目標を上回る35%削減を達成したという。


おすすめ記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...