重さ2000倍の物体も動かせる人工筋肉、カーボンナノチューブ使って作製。英米豪韓の国際研究チーム

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

米国テキサス大学、英国ブリティッシュコロンビア大学(UBC)、豪州ウーロンゴン大学、韓国・漢陽大学の国際研究チームがカーボンナノチューブ(CNT)を使って、剛性と柔軟性を兼ね備えた微小な人工筋肉を開発したとのこと。髪の毛の1万分の1という細さながら、自重の2000倍の重さの物体を回転させることができるほど強く、ゾウの鼻やタコの触手のようにしなやかであるといいます。

大量の多層CNTを引き出して、ねじり、糸状にしているところ (Courtesy of the University of Texas at Dallas)

開発された人工筋肉は、CNTの糸が集まってらせん状によじれた構造を持っており、長さ1mmあたり250°のねじれ回転運動を行うことが可能。これは、実用化されている形状記憶合金を使った人工筋肉の1万倍の能力に相当します。

研究チームのメンバーでUBC電気工学・コンピュータ工学准教授の John Madden氏は、この人工筋肉について「腕を動かしたり自動車の駆動に使うには大きさが足りないが、製法はシンプルでコストも安い。微小なバルブやポジショナ、ポンプ、かくはん棒、べん毛などの動力として、創薬や精密組立加工などの分野で利用できる。また、おそらく微小な物体を血流の中で前進させることもできるだろう」と話します。


▲人工筋肉の応用例

カーボンナノチューブの糸(Courtesy of John Madden)

らせん状にねじれた筋肉の回転運動は、バクテリアのべん毛などのように、何億年も前から自然界に存在しているものです。ゾウの鼻やタコの触手にも、この仕組みがあります。

CNTの糸は、電解食塩水に漬けた状態で充電されることによって活性化します。充電によってイオンが吸蔵されると、CNTの体積が膨張し、ねじれがなくなります。放電時には、元のねじれた状態にもどります。充電による膨張効果は、リチウムイオン電池の電極などでも見られるものですが、糸の変形量が挿入されるイオンのサイズと数に比例するという性質をうまく利用して、モータのような回転運動を作り出しているのです。


発表資料

おすすめ記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

「重さ2000倍の物体も動かせる人工筋肉、カーボンナノチューブ使って作製。英米豪韓の国際研究チーム」への3件のフィードバック

コメントは停止中です。