【CEATECレポート②】シリコン系太陽電池の技術動向

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前回のレポートでは、有機薄膜や色素増感型など、非シリコン系の太陽電池を取り上げました。今回はCEATEC JAPAN 2011での展示内容に沿って、太陽光発電の主力であるシリコン系太陽電池の最近の技術動向をまとめておこうと思います。

新型高効率単結晶太陽電池ブラックソーラー(シャープ)

ブラックソーラーのセル構造と配線方式(シャープ)

シャープは、2011年3月末からグリーンフロント堺で量産を開始している新型高効率単結晶太陽電池「BLACKSOLAR」を展示していました。モジュール変換効率は15.9%。同製品の主要な技術的特徴は、受光面に電極を設けない裏面電極型セル構造を採用し、受光面積をかせいでいること。また、セル同士を直列接続するときの配線方法を、従来の2本の銅配線でつなぐ方式から、セル背面の配線シート上に形成した100本以上の銅配線を使う方式に変更したことなど。銅配線のシート化でセル背面をほぼすべて配線用に使えるようになったため、銅配線の断面積を増やして抵抗を下げることができるようになり、送電ロスの低減を実現しています。

また、受光表面側にはキャリヤ再結合防止膜を形成。これにより、セル外部に電流を取り出す前にキャリヤがセル表面で再結合して消滅する現象を防いでおり、発電ロスの低減につながっています。

従来の太陽電池と比較すると温度上昇による出力低下が少ないことも特徴。これにより、設置条件にもよりますが年間想定発電量が4%程度向上するとしています。材料コストの面でも、従来の単結晶シリコンセルにくらべて厚さが約2/3に薄型化されており、シリコン使用量が削減されているとのこと。

なお、裏面電極構造の太陽電池は、サンパワー、カナディアンソーラーなども製品化しており、これから高効率化技術の主流になっていくことが予想されます。

発電プラント向け太陽電池モジュール(京セラ)

京セラは、メガソーラーなど発電プラント向けに開発した大型の多結晶太陽電池モジュールを参考出品。1モジュールが80セル直列で構成されており、出力315Wとのこと。メガソーラーでは、モジュール単位で大型化することでシステム全体の設置コストを下げることができるとしています。なお、すでに国内外のメガソーラーで稼働している京セラのモジュールでは、6×9セルの54直列などが一般的なようで、モジュール出力は国内向けでは最大238.1W、海外向けでは最大245Wタイプが製品化されているとのこと。ちなみに、京セラが現在日本国内のメガソーラーに供給している太陽電池の発電容量は24.4MW、採用件数は国内1位となっています。

太陽追尾システムのモデル例(パナソニック)

太陽追尾装置向け1軸加速度センサ(パナソニック)

パナソニックのブースでは、太陽追尾システムでソーラーパネルの傾斜角度検出に用いる1軸加速度センサが目に止まりました。センサの角度によって電圧が変わる仕組み。センサ側の電圧信号または電圧を角度データに変換した値を太陽追尾システム側に返し、システム側でパネル角度調整用データとして使用します。角度の分解能は0.01°と高精度。これは、欧州などでパネル傾斜角度に関して±0.1°の精度が要求されつつあることを受け、それより一桁小さいオーダーに分解能を設定したということのようです。


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