ハーバード大、人工光合成で植物を上回る効率達成

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

ハーバード大学の研究チームは、太陽光を利用して二酸化炭素からアルコールなどを作り出す人工光合成デバイスにおいて、自然界の植物の光合成を上回る変換効率を実現したと発表した。2016年6月3日付けの Science に論文が掲載されている。

作製された人工光合成デバイス(出所:ハーバード大学)

作製された人工光合成デバイス(出所:ハーバード大学)

今回報告された人工光合成デバイスでは、太陽電池を用いた水の電気分解で水素と酸素を発生させる。これと同時に、水分解電極中に組み込んだ水素酸化細菌 Ralstonia eutropha の働きを利用し、水素と二酸化炭素からアルコールなどの液体燃料(イソブタノールおよびイソペンタノール)を合成する。バイオプラスチックの前駆体であるポリヒドロキシ酪酸(PHB)の合成も行える。

水素酸化細菌を利用した人工光合成デバイスは、先行研究ですでに報告されていた。ただし、水分解電極に使われるニッケル-モリブデン-亜鉛合金触媒が副生成物として活性酸素種を作り出し、これが細菌のDNAを攻撃して損傷させるという問題があった。この問題を回避するためには、極端に高い電圧をかけてシステムを動作させなければならないため、効率が低下するという別の問題が生じてしまう。

今回の研究では、水分解電極の設計を見直し、新たにコバルト-リン合金触媒を用いることで活性酸素種の生成が起こらないようにした。これにより太陽光エネルギーから化学品への変換効率10%を達成した。植物の光合成の効率(1%程度)を大きく上回ったことになる。


発表資料

おすすめ記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...