米国ブリガム・ヤング大学 工学部の学生チームが、最高時速280キロ超の高速電気自動車(EV)を開発、1100ポンド未満の軽量クラスでの世界記録を更新したとのこと。ユタ州のボンヌヴィル・ソルトフラッツ(塩湖の跡にできた白い平原)を疾走する動画が公開されています。
特徴的な流線形の車体から「ストリームライナー」と呼ばれているこのEVは、総勢130名余りの学生たちが7年越しで完成させたもの。コンピュータの風洞プログラムによるモデリング、炭素繊維材料を用いた車体軽量化、航空力学、リン酸リチウムイオン電池などの技術を駆使して、最高時速175マイル(約281km)、平均時速155.8マイルの世界最高スピードを達成したとしています。
今回の記録は、SCTA (Southern California Timing Association)が、車体重量1100ポンド未満の「E1」クラスでの2回の走行により認定したもの。EVは重たい電池を搭載する必要があるため、高速を出せる軽量車両を作製するのは非常に難しく、これまでは時速130マイル台の非公式記録しかなかったといいます。ブリガム・ヤング大のチームは昨年、時速139マイルの記録を出していましたが、公式認定の要件である2回目の走行中に横転し、搭乗者は無事だったものの車体の破損に見舞われていました(ストリームライナーは、地上高が1インチしかなく、回転半径が非常に大きいため、ソルトフラッツのような広大で平らな場所でしか安全走行できないとのこと)。
発表資料
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