マンチェスター大、グラフェン中で電子の流れがハチミツのような粘性をもつことを発見

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マンチェスター大学の研究グループは、グラフェン中の電子の流れが、ハチミツのような粘性の高い液体に似た振る舞いをすることを発見した。2016年2月11日付けの Science に論文が掲載されている。

グラフェン中での渦電流のイメージ(出所:マンチェスター大学)

グラフェン中での渦電流のイメージ(出所:マンチェスター大学)

金属中での電子は、弾丸のように直進し、欠陥にぶつかって跳ね返る。グラフェン中での電子の動きも、弾丸やビリヤード球に似た「バリスティック伝導」であり、電子の散乱はグラフェンの境界部分やその他の欠陥でしか起こらないと考えられてきた。しかし、今回の研究では、実際のグラフェン中での電子の流れが、バリスティック伝導ではない粘性のある液体のように振る舞うことがあることが示された。

研究チームは、ドーピングしたグラフェンの電流注入電極付近で負の電圧降下が起こり、これに起因してサブミクロンサイズの渦電流が発生することを発見した。このような渦巻きは、水の流れの中に障害物があるときにできる渦と似ており、電子の流れが粘性を持っていることを示している。

実際に渦電流の粘度を計測したところ、0.1m2/S 程度という高い値となり、ハチミツの粘度よりも1桁高いことが分かった。この値は多体理論とも一致する。

研究チームは、今回の研究結果について、導電性の高い金属やグラフェンについての従来の物理学上の理解に疑問を投げかけるものであるとしている。渦電流は、マイクロ/ナノスケールでの微小領域で発生しやすいため、微細化が続く半導体産業向けの材料研究にとっても重要なブレークスルーになる可能性がある。


発表資料

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