「眼の奥に埋め込む微小な投薬デバイス」ブリティッシュコロンビア大が開発

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ブリティッシュコロンビア大学が、眼球の奥に埋め込むタイプの微小な投薬デバイスを開発したとのこと。糖尿病によって引き起こされる失明を防ぐためのデバイスで、従来のレーザー網膜治療と比べて副作用がなく安全であるとしています。

デバイスの動作機構 (Image courtesy of the University of British Columbia)

糖尿病が原因で網膜内の毛細管が肥大し、病状が進行すると失明に至る場合もあるため、レーザーで組織を焼く治療法が行われています。しかし、この方法にはレーザー火傷を起こしたり、周辺視野や暗視能力が失われるなどの副作用があるといいます。また、この病気の治療に抗癌剤が使われることもありますが、血流で急速に流されてしまうため大量の投与が必要で、他の組織への毒性が問題になります。

今回開発された投薬デバイスはピン先ほどの大きさで、弾力性と磁性を有するポリジメチルシロキサン膜(シリコーン樹脂)を備えており、外部から磁場をかけて膜を変形させることができます。このとき、デバイス内に貯蔵された薬物が膜の開口部から放出されるという仕組みで、磁場制御によって投薬量を適正に保つことも可能です。

抗癌剤の一種ドセタキセルを投薬する実験では、このデバイスがほとんど漏れのない完全な状態で35日以上機能することが実証されました。また、前立腺癌の培養細胞を使った実験では、デバイスの医薬効果が2か月余り持続し、癌細胞を殺すことができたとしています。

「現在使用できる技術では、デバイスの駆動に必要なバッテリーが大きすぎて目に入れることができないか、薬物投与を拡散にまかせているため一度眼球内に埋め込むと投薬レートを調整することができなってしまいます」と研究メンバーの一人 Fatemeh Nazly Pirmoradi氏は言います。

生体親和性の確認や性能最適化が必要なため、このデバイスが実際に患者の治療に使われるようになるのは数年先になるようです。

原文 http://bit.ly/j3XfzO
訳 SJN

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