新しい規則性を持つペロブスカイト型酸化物超伝導体、山梨大・東工大・広島大が発見

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山梨大学クリスタル科学研究センターの熊田伸弘教授、同センター田中功教授、東京工業大学応用セラミックス研究所の東正樹教授、広島大学大学院理学研究科の黒岩芳弘教授らの研究グループが、新規ビスマス酸化物超伝導体(Na0.25K0.45)(Ba1.00)3(Bi1.00)4O12を発見した。高温超伝導体の探索とそのメカニズム解明に新たな指針を与えるものとみられる。2014年2月26日付け Angewandte Chemie International Edition に論文が掲載されている。

合成された新規超伝導体の磁化率曲線。27Kでの超伝導転移が確認できる (出所:東京工業大学)

合成された新規超伝導体の磁化率曲線。27Kでの超伝導転移が確認できる (出所:東京工業大学)

今回発見された物質は、バリウムとナトリウムおよびカリウムが規則的に配列するA-サイトオーダーダブルペロブスカイト型構造を持つ初めての超伝導体であるという。絶対温度27Kで超伝導転移を確認した。また、圧粉体においてゼロ抵抗を確認した。

電子線回折と SPring-8 を用いた高輝度放射光回折実験により、これまでに報告されているペロブスカイト型超伝導体とは異なり、A-サイトオーダーダブルペロブスカイト型構造と呼ばれる、長周期の結晶構造をもつことが分かった。

ペロブスカイト構造とA-サイトオーダーダブルペロブスカイト構造の模式図 (出所:東京工業大学)

ペロブスカイト構造とA-サイトオーダーダブルペロブスカイト構造の模式図 (出所:東京工業大学)

この構造中では、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物のAサイトが、バリウムを占めるサイトとナトリウムまたはカリウムが占めるサイトの2種類になり、通常のペロブスカイト型構造の2倍の周期性を持つという。

A-サイトオーダーダブルペロブスカイトは磁気抵抗効果、負の熱膨張など様々な機能を示すことから近年注目を浴びている物質群だが、超伝導が見つかったのは今回が初めて。無機材料としては比較的低温の220℃で合成でき、毒性の強い元素が使われていないといった特徴もある。

今回確認された超伝導転移温度は低温だが、組成や結晶構造の調整によって転移温度が向上する可能性もある。長周期規則性を持つ結晶構造と超伝導発現との関連性を解明することで、高温超伝導体探索の新たな指針となることも期待できるとしている。


発表資料

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