バークレー研究所ら、活性が数十倍高い燃料電池用ナノ触媒を開発

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米ローレンス・バークレー国立研究所とアルゴンヌ国立研究所の共同チームが、燃料電池や水素製造用電解槽などに用いる高活性のナノ触媒を開発した。従来と比べて数十倍高い触媒活性を実現しているという。2014年2月27日付け Science に論文が掲載されている。

中空十二面体構造を持つナノ触媒の合成プロセスと透過電子顕微鏡画像 (出所:バークレー研究所)

中空十二面体構造を持つナノ触媒の合成プロセスと透過電子顕微鏡画像 (出所:バークレー研究所)

今回開発された触媒は、白金/ニッケルの二金属ナノ結晶で、内部に空洞のある多角形の骨格構造を有している。この三次元ナノ構造によって、触媒反応に寄与する白金を表面に豊富に配置させつつ、全体としては白金の使用量を大幅に減らすことができるという。

燃料電池における酸素還元反応や、電解槽における水素生成反応では、炭素材料中に高価な白金ナノ粒子を分散させた電解触媒を使用しているため、低コスト化が難しいことが問題となっている。今回の触媒は、白金の使用量を減らしつつ触媒活性を大幅に高めているため、燃料電池や水素ステーションの低コスト化につながる可能性がある。

新規ナノ触媒のEDX元素マッピング。十二面体ナノ骨格のエッジ部に白金が豊富に存在していることが分かる (出所:バークレー研究所)

新規ナノ触媒のEDX元素マッピング。十二面体ナノ骨格のエッジ部に白金が豊富に存在していることが分かる (出所:バークレー研究所)

今回の触媒をイオン液体中に封入して、酸素還元反応における触媒性能の評価実験を行なったところ、炭素中に分散させた白金ナノ粒子に比べて質量活性が36倍向上した。また、比活性も22倍向上した。

水素生成反応については、同触媒に水酸化ニッケルを電気化学的に堆積させたものを評価した。こちらも、白金/炭素触媒に比べて触媒活性が一桁向上した。

触媒の合成は、オレイルアミン中で固体の多角形ナノ粒子を形成し、これをヘキサンまたはクロロフォルム溶媒中に浸す。溶媒に浸している間の温度条件は室温で2週間、または120℃で12時間となっている。溶媒中の溶存酸素の働きによって粒子内部が浸食されることで、内部に空洞のある十二面体のナノ骨格ができあがる。このナノ骨格をアルゴンガス中で焼結し、骨格表面に白金の薄膜を形成する。

多くの場合、こうした中空ナノ構造体の合成には強力な酸化剤や電圧印加を必要とする。今回の触媒は、合成プロセスの面でも、大気中で自然発生的に進行するという特徴がある。


発表資料

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