【分析展2011レポート②】エネルギー関連の展示は今年も活発

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前回につづき、分析展2011・科学機器展2011のブースから、目にとまった展示をいくつか紹介していきます。リチウムイオン電池太陽電池材料の分析などエネルギー・環境分野に関連した展示が目立つのは、ここ数年続いている傾向です。特にリチウムイオン電池については、自動車向けの大量生産が本格化しつつあることを受け、安全性をより高めるための高精度の異物・欠陥検出が必要になっていることに加え、分析時間の短縮ニーズに対応する技術提案が盛んに行われていました。電池メーカー側からは、インラインでの電池の全数検査を行いたいという要求も強く、今後はロール・ツー・ロール方式の量産ラインにも対応可能な高速での異物検出装置などの開発が進むと見られます。

アルバックは、薄膜太陽電池などの膜厚測定に用いる自動高速分光エリプソメーターの新製品を展示。補償子などの可動部品を使わない構造が特徴で、1ポイントの測定時間を20ミリ秒に短縮。最大200ポイントの測定が可能であり、基板1枚99ポイント測定する場合にかかる時間は、2分弱となっています。多層膜の測定も可能。

自動高速分光エリプソメーター「UNECS-3000A」(アルバック)

エスアイアイ・ナノテクノロジーのブースでは、金属異物の高速検出・分析装置に注目。蛍光X線を用いる従来の検出原理にX線透過技術を加えたハイブリッド型の装置で、A4サイズの試料から20μmの異物を検出する時間が、これまでの10時間から数分間に短縮されています。リチウムイオン電池の内部ショートの原因となる異物の検出では、異物の濃度よりも、異物のサイズと個数の測定が重要。X線透過像で検出した異物の面積を計算し、異物のサイズごとの個数分布が確認できるアルゴリズムを導入することで、効率のよい検査を行えるとしています。

X線異物検査装置「SEA-Hybrid」(エスアイアイ・ナノテクノロジー)

「SEA-Hybrid」によるリチウムイオン電池の金属異物検出・分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー)

浜松ホトニクスでは、新開発のテラヘルツ波減衰全反射分光(ATR)分析装置を参考出品。テラヘルツ波は水に強く吸収されるため、通常の透過計測では生体高分子の水溶液などの測定は困難でした。今回開発されたATR法による装置では、全反射プリズム上に試料を置き、テラヘルツ周期で振動する交流電場を下方向から当て、試料によって吸収された電場を測定。その吸収スペクトルから試料の分析を行います。テラヘルツ波の発生素子・検出素子・全反射プリズムを一体化したことで、素子とプリズムの間の窒素充填も不要となり、プリズム上に試料を置くだけで測定可能になったとしています。

テラヘルツ波減衰全反射分光(ATR)分析装置(浜松ホトニクス)

テラヘルツ波分光分析装置の試料設置部(浜松ホトニクス)

ワッティーは、産業用ヒーターやガス配管ユニット、液面レベルセンサなどを主力事業としており、分析展には今回が初出展。ブースでは、窒化アルミニウム(AlN)を用いた急昇温急降温対応ヒーターなどを展示しました。AlNヒーターは、熱膨張率が極めて低く、急速な温度変化でもほとんど膨張収縮が起こらないのが特徴。電熱線にはAlNと熱膨張率が近いタングステンを使用し、50W/cm2という高いワット密度を実現しているとのこと。半導体のボンディング時など精密な局所加熱が必要な分野で利用されています。(おわり)

AlNヒーター(ワッティー)

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