MITら、グラフェンに微細な孔を開ける技術を開発。海水淡水化用フィルタへ応用期待

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マサチューセッツ工科大学(MIT)、オークリッジ国立研究所とサウジアラビアの研究チームが、グラフェン上に微細な孔を開ける技術を開発した。孔の口径を制御することもできる。海水を淡水化する脱塩処理用フィルタやガス分離膜などへの応用が期待される。2014年2月3日付けの Nano Letters に論文が掲載されている。

グラフェンへの孔開けプロセス:(a)支持構造体上にグラフェンを配置する。(b)ガリウムイオンをグラフェンに衝突させる。(c)ガリウムの衝突部位に欠陥が生じる。(d)酸化性溶液でエッチング処理することで欠陥部位に孔が開く (出所:MIT)

グラフェンが高性能なろ過フィルタとして利用できる可能性があることは、2012年にMITの別の研究チームが行なったシミュレーションによって報告されていた(既報)。今回、グラフェンを実際に脱塩処理用フィルタとして使うために必要とされる微細な孔開け技術が初めて実験的に示された。

グラフェンの孔開けは、2段階の処理によって行なう。まず、ガリウムイオンをグラフェン上に衝突させることによって炭素原子の結合を破壊し、グラフェンの格子構造に欠陥を作り出す。次にグラフェンを酸化性溶液に浸してエッチング処理を施す。このとき格子の欠陥部分が酸化性溶液と強く反応し、グラフェンに孔が開く。溶液に浸す時間を変えることによって、孔の平均サイズを制御することができるという。

研究チームはこの方法を用いて、口径0.40±0.24nmサイズの孔をグラフェン上に1012/cm2の密度で開けることに成功した。酸化性溶液に浸す時間が短い場合、孔を通り抜けられるのはカチオン(陽イオン)だけだった。溶液に浸す時間を長くすると塩も通り抜けられるようになったが、より大きな有機分子は透過できなかった。シミュレーションによると、グラフェンを用いることにより、逆浸透膜など既存のフィルタと比べて浸透性を50倍程度向上できる可能性があるという。


発表資料

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