二硫化モリブデン単原子層触媒を使って安価な水素製造が可能に ・・・ ノースカロライナ州立大

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ノースカロライナ州立大学の研究チームが、二硫化モリブデン(MoS2)単原子層薄膜の水素生成触媒性能について報告している。水の電気分解による水素製造に通常用いられている白金触媒と比べて触媒活性は低いものの、安価な原料を使用できるため水素製造を低コスト化できる可能性があるという。2014年1月7日付けの Nano Letters に論文が掲載されている。

二硫化モリブデン単原子層薄膜を触媒とする水素生成反応 (Credit: NCSU)

MoS2は、グラフェンに続く二次元系材料として注目されている。同研究チームは2013年に、原子スケールでの高品質のMoS2薄膜の作製法を開発していた。

今回、このMoS2薄膜の水素生成触媒としての触媒活性評価を行った。触媒活性の指標となる交換電流密度を調べたところ、単層MoS2の場合には10-6A/cm2程度となった。そして、積層数が1層増えるごとに交換電流密度は1/5程度減少し、触媒活性が下がっていくことが分かった。

この値は水素生成反応における白金の交換電流密度と比べるとかなり小さい。しかし、「触媒作用は材料のエッジ部位で起こる」とする従来の考え方からは触媒として不活性になるはずの(エッジ部位のほとんどない)単原子層薄膜で触媒活性が上がることが分かったことは、今後、触媒材料探索を進める上で重要な知見になると考えられる。

今回の実験は、MoS2の膜厚が薄ければ薄いほど導電性が上がり、触媒としての効率も良くなることを示している。MoS2の層数に依存した触媒作用は、MoS2層の垂直方向における電子のホッピングと相関があると考えられる。実験結果からは、電子が移動するときの層間におけるポテンシャル障壁が0.119Vであると示唆されるという。

MoS2薄膜を用いた水素生成には、これまでのところ通常の電気による水の電気分解が用いられている。同チームは現在、MoS2薄膜を用いて、太陽光を利用した水分解デバイスで水素生成を行う研究にも取り組んでいる。


発表資料

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