バークレー研究所、ビスマス酸ナトリウムが三次元版グラフェンであることを発見

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米ローレンス・バークレー国立研究所の研究チームは、ビスマス酸ナトリウムが、二次元炭素材料であるグラフェンの三次元バージョンといえる性質を持っていることを発見した。2014年1月16日付け Science に論文が掲載されている。

中央の図が、トポロジカルディラック半金属のバンド構造(出所:バークレー研究所)

ビスマス酸ナトリウムが、三次元トポロジカルディラック半金属(3DTDS)であることを実験によって明らかにした。グラフェンやトポロジカル絶縁体表面にみられるのと同様の円錐形のバンド構造が成り立っている。バンド図上で2つの円錐形の頂点が接する点では、質量を持たない電子ディラックフェルミオンが存在している。三次元のバルク材料内部にディラックフェルミオンが確認されたのは今回が初めてとのこと。

バルク内部にディラックフェルミオンが存在するため、3DTDSは、現在HDDに使用されている材料と比べても桁違いに高い不飽和線形磁気抵抗を示すという特徴がある。高効率の光学センサなどへの応用も期待できるという。

ALSのビームライン10.0.1(Photo by Roy Kaltschmidt)

バークレー研究所内に設置された放射光施設 Advanced Light Source(ALS)のビームラインを使った実験で確認した。ビームライン10.0.1での角度分解発光分光(ARPES)によってビスマス酸ナトリウムの電子構造を測定した。

グラフェンは極めて高い電子移動度を持っているためデバイスへの応用が期待されているが、大面積・高品質の単層薄膜を形成するのが難しいという問題がある。バルクの3DTDS材料を使うことで、グラフェン型デバイスを容易に作製できるようになる可能性がある。また、3DTDS系は、巨大反磁性、バルク中での量子磁気抵抗、強磁場下でのユニークなランダウ準位構造、量子スピンホール効果といった新奇な物理特性にも関係しており、次世代のエレクトロニクスおよびスピントロニクス材料としても利用できると考えられる。

ただし、ビスマス酸ナトリウムは非常に不安定な材料であるため、厳正に封止しない状態でデバイスに使うことはできないとされる。今回の発見は、もっと安定でデバイス利用に適した他の3DTDS材料を探求していく取っ掛かりになるとみられる。


発表資料

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