バークレー研究所、ビスマスフェライトでナノスケールの形状記憶性能を発見

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米ローレンス・バークレー国立研究所は、酸化物材料のビスマスフェライトにナノスケールでの優れた形状記憶性能があることを発見した。MEMSデバイスなどへの利用が期待される。2013年11月19日付けの Nature Communications に論文が掲載されている。

ビスマスフェライトにおけるナノスケールの形状記憶を観察したAFM像 (Credit: Berkeley Lab)

ビスマスフェライトに最大14%の歪みを加えたところ、ナノスケールでの形状回復が確認された。この値は、既存の形状記憶合金が形状回復できる歪み率と比べても最高であるという。変形に伴う体積当たりの仕事量も 600±90 J/cm3程度と大きな値になっており、形状記憶合金と比べて二桁程度高い。

従来の形状記憶合金は、サイズをナノスケールまで小さくすると、疲労、マイクロクラック、酸化などによる材料の不安定性が増すことが問題だった。一方、今回のビスマスフェライトは、ナノスケールでの安定した形状記憶性能を示しているという。また、形状記憶合金の場合、変形後の形状回復には熱を加える必要があるが、ビスマスフェライトでは電界を印加するだけで形状回復するため、応答時間をより速くできる。こうした特徴から、ビスマスフェライトは、MEMSなどの微小なデバイスに用いる形状記憶材料として適していると考えられる。

写真はビスマスフェライトに電界を印加したときに見られる相変化に伴う形状回復を観察した原子間力顕微鏡(AFM)像。青い点線部に界面の移動が見られる。

ビスマスフェライトは、ビスマス、鉄、酸素からなる化合物。強誘電性と強磁性を合わせ持つマルチフェロイック材料として近年活発に研究されている。


発表資料

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