【分析展2011レポート①】感度向上が進む分析装置 ― 前処理の効率化・自動化にも注目

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分析展2011・科学機器展2011が、2011年9月7~9日の3日間、幕張メッセで合同開催。出展者数は400超。最新の分析技術、装置、関連部品などが一堂に会しました。質量分析装置などでは、高感度化がますます進んでおり、これまでは気づかれることのなかった試料中の極微小な夾雑成分も検出されるようになってきました。その結果として、質量分析装置の前段で混合資料の分離・定量を行うクロマトグラフなどで、より高度な精製能力が要求されるようになっていることも最近の傾向のようです。また、分析装置の性能を十分に引き出すためには、試料の適切な前処理が不可欠ですが、自動化によって前処理にかかる人的・時間的コストを軽減する提案も多く見受けられました。

分析展2011/科学機器展2011 会場風景

福島での原発事故を受けて、放射能の環境モニタリング技術に関連する展示が増えたことは例年にない特色でした。以下、目にとまった展示をピックアップし、二回に分けて紹介していきたいと思います。

 * * *

堀場製作所のブースでは、同社の簡易線量計「PA-1000 Radi」と専用容器を組み合わせた放射能判定キットの前に人だかりができていました。同キットは、土壌や、すりつぶした食物などを容器に詰めて、放射能判定を行うもの。厚労省「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」では、バックグラウンド放射線量の20%以上の線量が測定された場合に、ゲルマニウム半導体検出器による精密分析にかけるとされており、同キットもこのスクリーニング基準に対応した判定が可能となっています。10月発売予定。

放射能判定キット(堀場製作所)

米国AB SCIEXは、質量分析装置のトップメーカー。創薬分野では、血液中に含まれる希薄な化学物質の測定など超高感度を必要とする分析に、同社の質量分析装置が多く採用されているとのこと。バックグラウンド低減による定量下限濃度(LLOQ)の向上、複雑な生体試料での夾雑物質の排除、微量な化合物検出を妨害する共溶出物の排除、同質量の異性体・類縁体の区別などがコア技術となっています。

質量分析装置「SelexION」(AB SCIEX)

島津製作所の高速液体クロマトグラフは、システム耐圧130MPaを実現しており、いろいろな種類の液体を流すことが可能。用途に応じて装置構成を組み替えることができるモジュラー性の高さも特徴です。装置内に微量に残存する前回使用時の試料が検出されてしまうキャリーオーバーの抑制対策も重視しており、他社比較で20倍程度の低キャリーオーバー性能を実現しているとのこと。

超高速液体クロマトグラフ「NEXERA」(島津製作所)

アジレント・テクノロジーのブースでは、試料前処理装置、各種分析装置、分析用ソフトなど、主要な分析技術を網羅する展示が行われていました。画像は、ガスクロマトグラフ(GC)用の試料導入装置。空気中のVOC分析や、半導体や自動車部品からのアウトガス分析などに用いられており、気体中の希薄な化学成分を100万倍程度濃縮してGCに送り込むことで分析感度を増強し、pptレベルでのVOC測定を可能にします。英国MARKES製の装置で、アジレントが国内販売代理店となっています。

ガスクロマトグラフ用導入装置「TD100」(アジレント・テクノロジー/MARKES)

日本分光グループのジャスコ インタナショナルのオンライン固相抽出システムは、液体クロマトグラフの前処理を自動化する装置。固相抽出カートリッジに粒径の小さな充填剤を使用することで、効率の良い前処理が可能になったとしています。

オンライン自動固相抽出システム JASCO PSE Pro (ジャスコ インタナショナル)

また、同社が国内代理店となっている独Occhioの粒度分布測定装置は、1000万画素のCMOSカメラで粉粒体試料を連続撮影し、試料の粒度分布を画像解析によって測定するもの。光学式の粒度分布計では測れない粒子形状も正確に捉えることができるとします。解析可能な最小粒子径は、液体試料中に分散した粒子の場合200nm、乾いた粉体試料の場合500nmとのこと。

(写真左)画像解析方式粒度分布測定装置 湿式フローセルタイプ「FC200S+HR」と乾式分散器タイプ「500nano」(ジャスコ インタナショナル/Occhio)

粒度分布・形状分布表示画面(ジャスコ インタナショナル/Occhio)

(つづく)


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