発電しながら放射能汚染土壌を浄化する微生物「ジオバクター」の謎、ミシガン州立大が解明

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ミシガン州立大学の研究チームが、発電しながら放射性廃棄物を固定化して浄化する微生物「ジオバクター」に関する新たな発見をしたとのこと。ジオバクターのウラン固定能力については、これまでも多くの報告がありました。しかし、ジオバクターの導電性の線毛(ナノワイヤ)がこの働きを担っているということは、今回初めて特定された事実だといいます。ナノワイヤは、ジオバクターの外側にある毛髪のような付属器官であり、浄化過程での電気的活性を司っています。

(A)ジオバクターによるウラン除去効果 (B)25℃で培養した野生種のジオバクターのTEM画像。線毛が発達 (C)30℃で培養した野生種のジオバクター。線毛が不足 (D)線毛が不足した突然変異体(E)線毛が発達した突然変異株 (Credit: Gemma Reguera, et al.)

「今回の研究で明らかになったのは、ナノワイヤが、ウランを低減するための主要な触媒であるということです」と研究チームの微生物学者 Gemma Reguera氏は言います。「本質的に、ジオバクターは自然界でウランの電気めっきを行う能力を持っています。彼らは放射性物質を効率的に固定化し、地下水への浸出を防いでいるんです」

また、ナノワイヤによって防護されているために、ジオバクターは毒性のある環境下でも繁栄していけるのだ、ともReguera氏は指摘します。

ミシガン州立大学の微生物学者 Gemma Reguera氏と研究チーム (Photo by Michael Steger)

ジオバクターによる浄化効果は、コロラド州ライフルにあるウラン鉱跡で検証されています。研究チームは、汚染された地下水に酢酸塩を注入しました。酢酸塩はジオバクターの好物であるため、もともと土壌中に生息しているジオバクターの群れの成長が促進され、ウラン除去の働きをするようになるのだといいます。

研究チームは、遺伝子操作でナノワイヤを増強したジオバクター株を作ることに成功。この改造型ジオバクターでは、ナノワイヤの数に比例してウラン固定化能力の効率が向上し、さらに触媒作用をもつ細胞としての生存能力も増したとしています。Reguera氏は、この研究に基づいて、発電と同時に災害後の環境浄化も行う微生物燃料電池の開発が可能であるとして、特許申請を行っているとのことです。


発表資料

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「発電しながら放射能汚染土壌を浄化する微生物「ジオバクター」の謎、ミシガン州立大が解明」への1件のフィードバック

  1. こういう生命体の存在には自然界がバランスを取ろうとする力を感じます。セシウムを除去する微生物もいると良いですね。

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