オレゴン州立大、CZTS化合物薄膜太陽電池の低コスト製造法を提案

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

オレゴン州立大学の研究チームが、安価なトリエチレングリコールを溶媒に用いたCZTS(銅・亜鉛・スズ・硫黄)化合物薄膜太陽電池の製造法について報告している。トリエチレングリコールは自動車用ラジエータの凍結防止剤としても広く利用されている材料。同技術が確立されれば、環境負荷の低いCZTS太陽電池が低コストで量産可能になるとみられる。Materials Letters 2013年9月15日号に論文が掲載されている。

今回合成されたCZTSナノ粒子の電子顕微鏡像 (Credit: Oregon State University)

今回報告されたCZTSナノ粒子は、トリエチレングリコールを溶媒とする連続フロー反応炉を用いて合成されている。通常CIGSナノ粒子の合成などに使われるバッチ式の製造プロセスと比べて、連続フロー反応炉によるプロセスは合成を高速化できるという利点がある。

論文によると、CZTSナノ粒子は、反応炉内での多段階のプロセスによって形成される。最初に硫化銅(Cu2-xS)が形成され、続いてスズ、亜鉛の順に取り込みが進む。CZTSナノ粒子薄膜をセレン雰囲気中で熱処理すると、粒径の大きなCZTSeナノ粒子を得ることができる。

連続フロー反応炉における反応温度、滞留時間、プリカーサ濃度などを調整することでCZTSの化学量論的な組成を制御できる。また、反応炉内のガスの流れをセグメント化することによって、ナノ粒子の粒径分布を狭く絞ることができ、粒子の混合度も良くなるという。

CZTS太陽電池は、商用化されているCIGS太陽電池と電子の数が等しいという性質があり、インジウムおよびガリウムよりも安価な亜鉛とスズで構成できるため近年研究が盛んに行われるようになっている。2012年におけるこれらの材料の価格を比較すると、インジウムとガリウムの価格は亜鉛の約275倍、スズの約15倍だった。今のところ、CZTS太陽電池の変換効率はCIGS系よりも低い。研究チームは、CZTS系でもドーパントの使用やその他の付加的最適化によって、CIGS系に匹敵する性能を出せるはずであるとしている。


発表資料

おすすめ記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...