阪大、EUV露光による次世代半導体製造のスループットを10倍以上向上

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大阪大学 産業科学研究所 招へい教授の田川精一氏、招へい准教授の大島明博氏らの研究グループが、EUV露光による最先端の半導体デバイス製造のスループット(1時間あたりのウェハー処理枚数)を10倍以上向上させる技術を開発した。極端紫外線(波長13.5nm)を用いるEUV露光装置では、露光光源のパワーが低いため、スループットが目標の10分の1程度と低いことが課題となっていた。

EUVパターン露光・光全面露光よる新露光プロセス (出所:大阪大学/科学技術振興機構)

標準的な反応理論に基づいた感光性樹脂(レジスト)の高感度化はほぼ限界に近づいており、10分の1程度と低い露光パワーでは目標のスループットに到達できないため、現在、光源開発を待つ状態が続いている。研究チームは今回、露光プロセスとレジストの両方を同時に見直し、10分の1程度の低パワーのEUV露光でもレジストの反応性を高めて目標のスループットに到達できる技術体系を開発した。これにより、次世代のリソグラフィ技術の本命であるEUVリソグラフィの早期実用化が実現するとみられる。

通常プロセスと新プロセスの比較 (出所:大阪大学/科学技術振興機構)

 
従来のEUV露光プロセスでは、1回のEUV露光によってレジスト中に酸が発生することにより反応が進行する。一方、今回開発された技術では、微細パターンを形成するEUV露光と高感度化のための光全面露光の2回の露光を行うことによって、微細パターンを高感度で形成する。

まず、最初のEUV露光で酸と同時に光増感剤をレジスト中に発生させ、2回目の光全面露光では1回目のEUV露光で生成した光増感剤のみが光を吸収する波長の光全面露光を行うことにより、1回目のEUV露光を行った部分のみに再び酸と増感剤を発生させる。このEUV露光部の選択的増感反応により10倍以上の酸増殖ができ、少ないEUV露光量でも反応に必要な十分の量の酸を発生させることができる。酸増殖反応は室温で起こるので、酸増殖時に酸の拡散がないので解像度を維持したままレジストの大幅な高感度化が可能になるという。なお、技術の詳細は、千葉大学で開催される第30回国際フォトポリマーコンファレンスにおいて2013年6月28日に発表される予定。


発表資料

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