バークレー研究所、人工光合成研究のためのマイクロ流体テストベッドを完全集積化

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

米ローレンス・バークレー国立研究所 人工光合成共同センター(JCAP)が、人工光合成システムの評価・最適化のための集積化マイクロ流体テストベッドを開発した。人工光合成システムを構成する様々な要素を検証したり、触媒や膜、電極などの材料を換装してテストを行ったりできる。

マイクロ流体テストベッドの構造 (Credit: Berkeley Lab)

太陽光によって水の電気分解を行うマイクロ流体電解槽を開発した。システムを構成するすべての機能要素が容易に交換・最適化できるように設計されている。研究チームはすでに、このテストベッドを使用して太陽光による水の電気分解の仕組みの解明を進めており、人工光合成や燃料電池技術の研究にテストベッドを適用する準備も整っているという。これにより、小規模なシステムでテストした戦略を大規模なシステムに応用することが可能になると期待されている。

人工光合成システムの動作原理は、レドックスフロー電池および燃料電池に類似しており、電極への電荷キャリアの輸送や、触媒中心への反応剤の供給、反応生成物の抽出、チャネル間および電解質から触媒中心へのイオンの伝達といった要素が必要とされる。従来の人工光合成の研究において、こうした動作原理の全要素を統合した例はあまりない。特に、正極と負極を化学的に分離したシステムはこれまでにないものであるという。

今回開発されたマイクロ流体テストベッドでは、異なる種類の正極材・負極材の組み込みが可能となっており、マイクロチップの外側にパターン形成された巨視的な接点を通して、正極材・負極材の電気的評価をそれぞれ独立に行うことができる。電荷キャリアの輸送はイオン伝導性高分子膜を通して行われ、電気分解による生成物(酸素と水素)の発生および捕集は流れを分離して種類ごとに分けることができる。こうした汎用的設計によって、正極・負極における選択的触媒供給、クロスオーバー損失の最小化、反応剤の輸送制御などが可能となった。地球上に豊富に存在する元素を材料とするものも含め、ほとんどすべての光電気化学的要素をテストベッドに組み込むことができるという。

各デバイスには19本の並列チャネルが内蔵されている。デバイス全体の動作エリアは8mm2となっている。図は、マイクロ流体テストベッドの構造を模式的に示したもの。中央の赤い壁は化学的に不活性であり、正極(水素生成極)と負極(酸素生成極)を分離する役目を果たす。プロトン(H)はナフィオン製の膜を通して一方のチャネルから他方へと移動する。この膜には、生成された酸素と水素の流れが混合するのを防ぐ働きもある。


発表資料

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...