パデュー大、サーモグラフィを用いたリチウムイオン電池の品質管理技術を開発

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パデュー大学の研究チームが、サーモグラフィを利用したリチウムイオン電池の品質管理技術を開発した。フラッシュ電球で電極を加熱したときの温度データをもとに電極材料の膜厚バラつきを測定する。2013年6月3~5日に米国イリノイ州ロンバードで開催される実験力学会の年次総会で詳細が報告される。

温度データをもとに電極材料の膜厚バラつきを測定する (Credit: Purdue University)

リチウムイオン電池電極は集電体用の金属箔に電極材を塗布して形成する。粘性のある複合材料の塗布プロセスでは膜厚が不均質になり、波状の縞模様のパターンが生じることがある。これが電池の性能に影響する。

研究チームは、熱伝導方程式に基づく有限要素熱伝達モデルを開発し、熱と膜厚に関する理論的考察を行った。同モデルからは、集電体裏面への熱パルス照射が電極全体に伝わる様子によって、膜厚や材料特性から生じる過渡的な熱応答の変化が分かることが示された。また、こうした熱応答の変化が、フラッシュ照射から3~10ミリ秒後に最大化することも明らかにされた。

電極の銅箔面にキセノン電球をフラッシュ照射し、赤外線カメラで電極材塗布面の温度を読み取ってサーモグラフィを生成する。1秒未満という短時間の測定によって電極材の膜厚のバラつきを知ることができる。カーボンブラックとポリマーバインダの比率の微妙な違いも検出できる。混入物や膜厚バラつき以外にも、擦過傷や空気の泡など、電池の性能と信頼性に影響する様々な種類の欠陥が検出可能であるという。

1%の膜厚変化が1%の温度変化に対応している。実験では、4%の膜厚変化が4.8%の温度変化、10%の膜厚変化が9.2%の温度変化、17%の膜厚変化が19.2%の温度変化として表れたという。高速測定が可能なため、製造ラインに組み込むことで同手法を不良品検出に利用できると考えられる。将来的には、検出された欠陥をその場で修理することもできるようになるとしている。


発表資料

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