韓国UNIST、プラズモン効果利用した高分子太陽電池で変換効率8.92%記録

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韓国・蔚山科学技術大学校(UNIST)の研究チームが、高分子太陽電池で変換効率8.92%を達成した。金属ナノ粒子によるプラズモン効果を利用した高分子太陽電池としては世界最高値を更新した。外部量子効率は81.5%となっている。2013年4月22日付けの Nano Letters に論文が掲載されている。

図1 今回開発されたPTB7:PC70BM系高分子太陽電池のデバイス構造と特性 (Credit:UNIST)

シリコン系太陽電池と比較した高分子太陽電池の長所としては、軽量性、フレキシブル性、溶液プロセス適用が可能、製造コストが低い、分子レベルでのカスタマイズが可能、低環境負荷といった点が挙げられる。一方、既存の高分子太陽電池は、変換効率が低いことが欠点で、品質の安定性にも問題がある。

変換効率を最大化するためには、膜厚の厚いバルクヘテロ接合によって活性層での光吸収を増大させる必要がある。しかし、活性層の膜厚を厚くすると、バルクヘテロ接合における電荷移動度が制約される。従って、バルクへテロ接合の膜厚を最小化しつつ、活性層での光吸収は増やすことが求められる。

図2 Ag@SiO2の空間配置の変化と反射スペクトル (Credit:UNIST)

 
研究チームは今回、光吸収を増大させるために、シリカを被覆した銀ナノ粒子(Ag@SiO2)における表面プラズモン共鳴効果を利用した。Ag@SiO2のシリカ殻によって大気中での銀粒子核の酸化が防止されるため、銀ナノ粒子の表面プラズモン共鳴効果が維持される。また、銀粒子核と活性層の直接接触を防ぐことにより、励起子の消滅に関する問題が回避できるという。

Ag@SiO2ナノ粒子は、シリカ殻で被覆されているため、ITO/PEDOT:PSS界面( I 型)およびPEDOT:PSS/活性層界面( II 型)の両方に配置することができる。

UNIST グリーンエネルギー学際研究校の Jin Young Kim 准教授は、今回のアプローチについて、「表面プラズモン共鳴材料を複数界面に配置可能で、溶液プロセスも適用できるという特性があるため、多種類の金属ナノ粒子を様々な空間配置で導入することによって複数のプラズモン効果を使えるようになる。高性能の光電子デバイスの量産技術に適用できる」とコメントしている。

図1は、I 型および II 型アーキテクチャを有するPTB7:PC70BM系高分子太陽電池の(a)デバイス構造、(b)J-V特性、(c)外部量子効率。図2は、Ag@SiO2の空間配置を変えた場合の(a)デバイス構造と(b)反射スペクトルの変化を示している。


発表資料

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