バークレー研究所ら、自然界のフラクタル図形を取り入れた人工光合成用マイクロ流路を設計

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米ローレンス・バークレー国立研究所とカリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、人工光合成プロセスにおける水、二酸化炭素、水素、酸素、燃料分子などの搬送に適したマイクロ流路デバイスを考案した。雪の結晶や生物の毛細血管など、数学的な自己相似性を有する自然界のフラクタル図形を模倣することにより、マイクロ-マクロスケール間での流体の行き来が行えるようになるという。

図1 フラクタル構造のマイクロ流路 (Credit: Berkeley Lab)

人工光合成を実用化する上では、微小な反応サイトで合成した燃料分子を集めてガロン単位で配管に流す技術の確立が課題となる。今回の研究ではこうした課題を解決するため、自然界にみられるフラクタル図形と同様の自己相似性を保って配管を分割し、マイクロ流路のネットワークを形成する方法が提示されている。

マイクロ流路は、図1のように同一形状の溝と穴のパターンを持つタイルが積層された構造となっている。各層のタイルはそれぞれ直下の層のタイルのちょうど1/4のサイズとなる。基層にある1枚のタイルが母型となり、2層目は母型と同じパターンを持つ1/4サイズの複製タイル4枚で構成される。層数が上がるたびに、パターンを維持したままタイルの枚数が幾何的に増加し、それに比例してタイルのサイズは縮小していく。

図2 複数系統のチャネルを形成したマイクロ流路 (Credit: Berkeley Lab)

 
階層を経るにつれて個々のチャネルの幅がマクロスケールからマイクロスケールへと段階的に狭まる。パターンに自己相似性と対称性が備わっているため、各層の穴が正確に位置合わせされ、親タイルから次層の子タイルへと流体が移動する。

この流路デザインは、基層に複数のチャネルを形成した場合に効果を発揮するという。各系統のチャネル内を流れる液体やガスは、互いに分離された状態を保ったまま、マクロスケールとマイクロスケールの間を移動できるようになる。図2はそれぞれ、基層に形成するチャネルの数を2個、3個、4個とした場合のマイクロ流路の上面図、側面図および等角図。

このシステムには本質的な拡張性が備わっているので、理論上はメートル級のパイプとマイクロスケールの毛細管ネットワークをつなぐような流路も形成可能である。最終的には、持続可能な燃料製造や工業・医療分野での複雑な分子作製に同システムを利用できるようになる可能性があるという。


バークレー研究所の発表資料

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