EVGと豪州Brisbane Materials、太陽光パネル向け反射防止膜の室温・大気圧形成技術を開発

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EV Group(EVG)と豪州の材料メーカー Brisbane Materials Technology が、室温・大気圧で成膜できる低コストな反射防止膜の共同開発を行っている。太陽光パネルへの適用が想定されており、製品化に向けて現在パネルメーカーなどによる評価が進んでいる。

ガラスパネル反射防止膜形成技術 (出所:EVG)

ガラスのパネル上に多孔性SiO2膜を塗布プロセスで形成する。室温・大気圧条件でのスプレーコーティングによって、液状の膜材料を大面積に対して均一に塗布する。塗布後は、添加剤による化学反応を利用して、多孔性SiO2膜とガラスの界面を共有結合させる。膜形成に高温処理や真空プロセスなどを必要としないため、他の手法による反射防止膜と比較して大幅にコストを低減できるという特徴がある。

この膜を太陽光パネル最表面の保護用ガラス上に形成すると、通常4%程度ある反射率を1%未満に抑えることができる。すなわち、膜なしの場合と比べてパネル表面での反射光を1/4以下に低減できる。太陽電池内部に吸収される光の量が増えるため、発電効率が3%以上向上するという。

反射防止効果 (出所:EVG)

 

反射防止膜塗布装置 (出所:EVG)

 
一般に、反射防止膜の膜厚が光の波長の1/4となるときに反射率が最小になる。同社の塗布技術では、膜厚を自由に設定できるので、最も反射防止効果を出したい波長をねらった1/4波長の膜厚とする。

光の入射角度に依存する反射防止効果の変化についても評価が行われており、同社の膜では広範囲の入射角度において反射防止性能が得られることが確認されている。波長依存性についても、波長によらず反射防止効果があり、光の透過率が向上する。また、信頼性評価については、加速試験において20年以上相当の耐候性が確認されているという。

現在、オーストリアのEVG本社に、反射防止膜形成装置のデモ機が設置されている。デモ機では、1.2m×0.8mのパネルに反射防止膜を形成し、サンプル評価を行うことができる。ロール、フロートガラス、パターン形成済みガラス、アニールガラス、強化ガラスなど、様々な種類のガラスについて成膜・評価が可能な環境を整えている。なお、2013年5月27日にEVGが京都で開催するプライベートセミナーでも、同技術に関する技術解説が予定されている。


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