UCLA、酸化ニオブを用いた高性能スーパーキャパシタ材料を開発。大容量での急速充放電が可能に

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カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが、酸化ニオブを用いたスーパーキャパシタ材料を開発した。酸化ニオブの薄膜層にリチウムイオンが挿入されるときに生じる擬似容量を利用して、大容量・急速充放電を可能にしたという。2013年4月14日付けの Nature Materials に論文が掲載されている。

今回合成された酸化ニオブの多孔性ナノ結晶膜 (Credit: UCLA)

二次電池は大容量でのエネルギー貯蔵に適しているが、電荷キャリアであるイオンが固体の電池材料内をゆっくりと移動するため充放電に時間がかかる。一方、キャパシタは材料表面にエネルギーを貯蔵するため、充放電速度は速いが、一般的には容量が低くなるとされる。

研究チームは今回、こうした二次電池とキャパシタの弱点を取り除くことができるスーパーキャパシタ用の材料開発に取り組んだ。図は、今回合成された斜方晶構造を有する酸化ニオブ( Nb2O5 )の多孔性ナノ結晶膜である。赤い点が酸素を表し、ニオブは多面体内に位置している。酸素とニオブは、a-b 面内に配列し、c 軸方向に積層構造が形成される。

この多孔性ナノ結晶にリチウムイオンが挿入されると、酸化還元反応によってキャパシタの容量が増大する擬似容量というメカニズムが働く。

通常の擬似容量は、酸性電解質中での酸化ルテニウムに見られるように、表面または表面近傍で生じる可逆的な酸化還元反応に関係している。一方、今回のケースでは、酸化ニオブの結晶ネットワーク内にリチウムイオンが挿入されることで、挿入時の構造変化があまり起こらない二次元的電荷伝達経路が作られるという。研究チームは、この現象を「インターカレーション擬似容量」と呼んでいる。

インターカレーション擬似容量においては、小石のまわりに砂粒がこびりつくようなイメージで、バルクの酸化ニオブの中にリチウムイオンが堆積する。この現象を利用すると、商用の二次電池材料と大差ない40μm厚の電極でも、その1/100以下の薄さの電極と同等の急速なエネルギー貯蔵・放出ができることが実証されている。

インターカレーション擬似容量を利用することで、固体中での拡散による制限を受けずに、高レベルの電荷貯蔵と急速充放電が可能になると考えられる。研究チームは、1分間で充電できる高エネルギー密度のデバイスを実現するために、ナノスケール以下の加工技術をさらに進めていきたいとしている。


発表資料

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