ディスプレイサーチ、LED・有機ELの市場予測を発表

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調査会社ディスプレイサーチが、LEDと有機ELに関する市場予測を発表しています。LEDは、2013年がバックライト用途の需要ピークと予測。照明用途での普及が加速するとしています。また、有機ELについては、液晶パネルの苦戦が続くディスプレイ産業の次の成長を握るカギになると見ています。

LED用途市場の変化 (source: DisplaySearch)

ディスプレイサーチの調べによると、LEDバックライトとLED照明を合わせた2010年の市場規模は、72億ドルでした。同社は、2014年に市場が127億ドルに達すると予測。この急拡大を牽引するのは、主にLED照明への需要の高まりであるとしています。また、LEDメーカーは、これに備えて生産能力の増強を推進。2011年のLED世界生産能力は1800億個、2013年には2270億個に達すると予測しています。

LEDバックライト市場の展望

ディスプレイサーチでは、LEDの需要が、バックライト用途から照明用途へと移りつつあると見ています。2010年第4四半期におけるLEDバックライト搭載液晶テレビの在庫増加と売上げ低下を受けて、LEDバックライト需要は、2011年第1四半期から第2四半期初めにかけてやや落ち込みました。この先、需要は2011年第3四半期に最大レベルまで持ち直すと見られますが、これは季節的需要によるものです。

現在、LEDバックライトは中・小型の液晶パネルの全てで使用されており、モバイルPCでの搭載率はほぼ100%となっています。PC用モニタと液晶テレビでのLEDバックライト搭載率は引き続き増加していますが、1セット当りのLEDの使用個数は減少しています。2011年のLEDバックライト需要は全体で459億個になると予測されます。2010年以降、液晶テレビ向けがバックライト需要のほぼ50%を占めるようになっており、2012年にはテレビ向けのLED需要が最大レベルに達すると予想されます。このため、2013年以後はユニット当りのLED使用数の減少によってバックライト需要は緩やかに低下していくと見られます。

拡大するLED照明

一方、2010年における照明用途でのLED普及率は1.4%であり、2014年には9.4%に拡大すると予測。ハロゲン灯の代替が進んでいるため、スポットライトでの普及率が高くなっており、2011年以降、政策誘導によって街路灯でのLED照明の普及が加速すると見られます。2011年第2四半期のLED照明需要は全体で32億個、同年第3四半期には34億個に急拡大するとディスプレイサーチでは予測しています。

LED照明の普及率予測 (source: DisplaySearch)

政策による支援を受け、LED街路灯の売上高が拡大しています。2011年には、中国が世界最大のLED街路灯市場となるでしょう。そのシェアは55%になると見られます。2014年の中国のシェアは50%とやや低下することが予想されますが、2011年から2014年の間に地域別のLED街路灯のシェアが大きく変化することはないでしょう。

地域別のLED照明市場予測

2011年におけるLED電球の最大の市場は日本であり、そのシェアは63%ですが、2014年にはシェア40%まで低下すると予想されます。とはいえ、日本は、電力使用制限と省エネ努力のためにLED照明を多く採用しており、2014年時点でも依然として最大の照明市場ではあるでしょう。2011年から2014年までのLED電球市場の成長率については、中国・北米・欧州が、その他の地域よりも高くなるでしょう。

2011年以降、LED生産は台湾がトップ

2010年のLED生産トップは韓国でしたが、2011年以降は台湾が韓国を追い抜くと見られます。2011年第2四半期におけるLED供給メーカー上位3社(チップサイズ500×500をベースとする)は、S-LED、LGIT、エピスターでした。LED生産に巨額の投資を行っている中国の動向にも注意する必要があります。

今後数年間は高い成長が見込まれるLED市場ですが、コスト競争力と的確な戦略を欠いた供給メーカーは、非常に困難な状況に直面することになる、とディスプレイサーチは指摘しています。参入企業の増加によって競争は激化し、2011年には劇的な価格下落が起こると予想されますが、そのことによりLED照明の普及率はさらに上がることになるでしょう。

有機EL市場の展望

有機ELについては、サムスンモバイルディスプレイ(SMD)がG5.5のアクティブマトリクス型有機EL(AMOLED)ディスプレイ生産工場を立ち上げたことで、本格的な市場成長がようやく現実のものになりつつある、としています。SMDは2010年12月にA2工場への製造装置搬入を開始しており、2012年第1四半期末までに月産最大8万枚の生産体制を確立する見込みです。この動きに牽引され、2012年のAMOLEDの生産能力は前年比2.9倍の260万m2に拡大、2013年にはさらに倍増するとディスプレイサーチは予測しています。

アクティブマトリクス型有機ELの生産能力予測 (source: DisplaySearch)

AMOLEDの商用出荷については現在SMDがほぼ100%のシェアを握っています。さらに、A2工場とその後に計画されている新工場が、今後のAMOLED生産能力拡大の大部分を占めることになるでしょう。その他の既存メーカーおよび市場参入の可能性のメーカーは、いまのところSMDの動向を見守っている状況です。AUO、LGディスプレイ、CMI、IRICOは今後2年の間にAMOLEDのパイロット生産ラインまたは量産ラインを建設すると予想されますが、その他の企業については、市場に参入するかどうかを検討している段階であるとしています。

液晶パネルメーカー各社は4半期連続の赤字決算となっており、アモルファスシリコン液晶の生産能力過剰に伴い、2012年の設備投資については前年比40%減を超える落ち込みが予想されています。一方、AMOLEDディスプレイの供給は非常にタイトな状態が続いており、今後も拡大余地があるため、市場としては有望といえるでしょう。

また、AMOLED向けの材料・装置の開発も活発化しています。例えば、酸化物半導体材料、高解像度露光装置、レーザー熱転写法(LITI)、垂直走査蒸発源、薄膜封止技術、フレキシブル基板などがあり、AMOLEDの量産本格化とともに、これらのサプライチェーン企業に大きな利益がもたらされる可能性があります。

新規のAMOLED製造ラインのほとんどは中・小型パネルの生産に最適化されていますが、FPDメーカーの究極目標は依然として、高品質で(理論的には低コスト化できる)AMOLEDテレビです。SMD、LGディスプレイの両社は、2012年に向けてG8パネルでのAMOLEDテレビのパイロット生産へと動いています。この試みがどのような結果となるかはまだ不透明であるものの、FPD産業において注目すべき重要なトレンドである、とディスプレイサーチは指摘しています。


発表資料1 発表資料2

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