アイトリックス、世界最大サイズの「大面積・単層・単結晶グラフェン」販売開始

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アイトリックスと米国子会社 Graphene Platform は、新たに世界最大サイズの「大面積・単層・単結晶グラフェン」の販売を2013年4月2日より開始する。

SiC熱昇華法による大面積・単層・単結晶グラフェンサンプル (写真提供:アイトリックス)

大面積・単層・単結晶グラフェンは、これまで同社が提供してきた通常の単層・多結晶グラフェンと比較して炭素原子の結晶構造に欠陥がなく、極めて高い電子移動度、優れた光学特性、熱特性、力学特性など、グラフェンの理想的な性質が得られるという特徴がある。

通常の銅箔上に成膜される多結晶グラフェンでは、炭素原子が六角形の格子状に結合した六員環構造の微小な結晶粒(グレイン)がモザイクのように寄り集まった結晶構造が形成されるが、このときグレイン同士の境界部分には、格子を構成する炭素原子の数が通常の6個より1つ少ない五員環や、1つ多い七員環などの結晶構造が発生する。

今回、同社が提供を開始する単結晶グラフェンは、特に五員環や七員環などの構造がなく、六員環で構成されたサンプルであるという。

SiC熱昇華法によるグラフェン形成プロセス (作図:SJN)

 
ナノ~ミクロンサイズの単結晶グラフェンは、粘着テープなどを用いてグラファイトから剥離する方法でも得られるが、剥離法ではサブミリ~ミリサイズの大面積サンプルの作製はできない。同社では、SiC熱昇華法によって10mm角サイズの大面積単層・単結晶グラフェンを提供できるようにした。SiC上の単層・単結晶グラフェンとしては世界最大サイズになるという。

SiC熱昇華法では、SiC基板を高温処理し、シリコンだけを昇華させる。基板に残った炭素原子がグラフェンを形成する。SiC基板上からグラフェンを剥離・転写することはできないが、フォトリソグラフィプロセスなどにより基板上のグラフェンをパターン成形することができる。主にパワー半導体、テラヘルツ発振素子などへの適用が想定されている。

今回販売開始するサンプルの価格は50万円。現在、受託成膜などを含む同社のグラフェンサンプル事業の売上高は年間6000万円となっているが、今後これらの新製品を逐次投入することにより、2013年の売上高1億円超をめざすとしている。


PDF形式の発表資料

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