北大と昭和電工、活性炭を触媒に用いてバイオマスを高効率で糖化

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北海道大学触媒化学研究センター長の福岡淳氏と昭和電工の研究グループが、バイオマスを高効率で分解する新しい触媒の開発に成功した。身近にある活性炭をアルカリ処理した触媒を用い、サトウキビの搾りかすであるバガスから高い効率で糖(グルコース、キシロース)を合成した。分解困難なセルロースを変換できる点がポイント。これらの糖からはバイオエタノールや生分解性プラスチック、キシリトールなどを作ることができる。2013年3月1日付けの ACS Catalysis に論文が掲載されている。

活性炭を用いたバイオマス糖化 (出所:北海道大学/昭和電工)

木や稲わら、サトウキビの搾りかすなどの木質系・草本系バイオマスは、食料と競合しないという利点があるが、非常に頑丈であるため、分解して使いやすい糖に変換することが困難であるという問題がある。これまで酵素や硫酸などを触媒として利用する方法などが試されてきたが、バイオマスの効率的な分解方法は確立されていないかった。

今回の研究では、バイオマスとして、バガスと呼ばれるサトウキビの搾りかすを用いた。水に溶けない固体であるバガスと、同じく固体であるアルカリ処理した活性炭を、互いに上手く接触できるように混ぜて粉砕した。次に、弱酸性の水中(濃度0.012%の塩酸)でよく混ざり合った活性炭によってバガスを分解し、糖に変換した。

バガスの主成分は、グルコースが多数繋がってできたセルロースと、キシロースが同様につながったキシランである。活性炭でバガスを分解することにより、セルロースのうち80%をグルコースとして抽出、キシランのうち90%以上をキシロースとして抽出することに成功した。また、活性炭の表面に存在するカルボキシル基やフェノール基が互いに助け合ってバガスを分解していることが分かった。この触媒は耐久性も備えているという。

グルコースはバイオエタノールなどの燃料やポリ乳酸などの生分解性プラスチックの原料として有用。キシロースは、虫歯予防効果のあるキシリトールにも容易に変換できる。活性炭という身近にある安価な材料を使って、バイオマスからこれらの化合物を効率的に合成できることから、その利用が進むと期待される。さらに、活性炭が触媒としてどのように機能しているか解明できたため、新しい触媒反応への応用も可能になるとみられる。


PDF形式の発表資料

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