廃水処理施設でのバクテリア燃料電池の実用化めざす ― ペンシルバニア州立大

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ペンシルバニア州立大が、バクテリアなどの微生物を使った燃料電池の開発を進めているとのこと。5~10年で実用化し、廃水処理施設での普及を目指すとしています。現在もすでに、ほとんどの下水処理場が、廃水に含まれる有機物の分解にバクテリアを利用していますが、同大の研究はこれをさらに進め、バクテリアを直接、発電に利用しようというものです。

バクテリアによる有機物分解を利用する燃料電池 (Image courtesy of the National Science Foundation)

発電デバイスの仕組みは、バクテリアが廃水中の有機物を食べて分解するときに副生成物として放出される電子をカーボンブリッスル(剛毛状の炭素繊維)に集め、回路に流すことで電流を得るというもの。

電気の形でエネルギーを取り出す以外にも、システムに少しの電圧を加えることで、水素燃料ガスを発生させることも可能。また、リアクターを複数つなぎあわせることで、取り出せるエネルギーを増大させることもできるといいます。

研究初期の頃のバクテリア燃料電池は、高価なグラファイト棒やポリマー、プラチナなどの貴金属を使用していました。しかし、材料の低コスト化を進めた結果、現在のデバイスでは、貴金属をいっさい使わなくて済むところまで来ているそうです。

研究チームの Bruce Logan氏は、海水を使用する燃料電池システムのテストも行っており、こちらはさらに多くの発電が可能とのこと。「発電、海水の淡水化、廃水浄化という一石三鳥のシステムです」と話しています。

現在、水関連インフラのために使われている電力は、全電力の5%程度を占めているとされます。Logan氏の目標は、バクテリア燃料電池で廃水処理施設に必要な電力をすべて賄い、余った電力を近隣のコミュニティーに供給することだといいます。


発表資料

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