UCLA、DVDライトスクライブバーナーを使ったグラフェン・マイクロスーパーキャパシタ形成法を開発

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カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが、DVDラベル作成用のライトスクライブバーナーを使って、グラフェンによるマイクロスーパーキャパシタを形成する技術を開発した。100個以上のマイクロスーパーキャパシタを1枚のディスク上に30分以内で形成できるという。2013年2月12日付けの Nature Communications に論文が掲載されている。

図1 グラフェン・マイクロスーパーキャパシタの形成プロセス (Maher F. El-Kady & Richard B. Kaner, Nature Communications(2013) doi:10.1038/ncomms2446)

電子デバイスの小型化が進むにつれて、従来の電池や電解コンデンサに代わり、チップ上に積載できるマイクロスーパーキャパシタへの期待が高まっているが、微細形成技術のコストが高いため広範な用途で普及するには至っていない。

今回UCLAの研究チームが開発した方法は、レーザー光でDVD表面に文字や画像などを焼きつける標準的なライトスクライブバーナーを利用するもの。酸化グラファイト膜上への直接レーザー書き込みにより、グラフェン・マイクロスーパーキャパシタを形成する。短時間で大面積にデバイスを形成することができるため、マイクロスーパーキャパシタの低コスト量産技術につながると考えられる。

この方法で形成したマイクロスーパーキャパシタはフレキシブル基板上に組み込めるため、MEMSやCMOSデバイスと一緒に1チップ上に集積することも可能であるという。

図2 各種蓄電システムの性能比較 (Maher F. El-Kady & Richard B. Kaner, Nature Communications(2013) doi:10.1038/ncomms2446)

 
グラフェン・マイクロスーパーキャパシタの形成プロセスを図1(a)~(c)に示す。(a)PETシートで支持された酸化グラファイト膜が、DVDメディアディスク表面に成膜されている。このディスクをライトスクライブ用のDVDドライブに挿入し、コンピュータで設計した回路を膜上に書き込む。(b)銅テープを端部に沿って当てることで電気的接触が向上する。電極が互いにかみ合っている部分は、ポリイミドテープ(カプトンテープ)で区切られる。(c)電解質の保護膜を加えることで、平面型のマイクロスーパーキャパシタが形成される。

論文では、かみ合った電極の個数が4個、8個および16個の3パターンのマイクロスーパーキャパシタを試作したと報告されている。図2では、電極16個のデバイスのエネルギー密度および出力密度について、市販されている各種の蓄電システムと比較した。グラフェン・マイクロスーパーキャパシタのエネルギー密度は10-3Wh/cm3、出力密度は102W/cm3のオーダーとなっており、従来のどのスーパーキャパシタよりも良い値となっている。


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