モナシュ大ら、蓄えた二酸化炭素を光に反応して放出する有機金属構造体を発見

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モナシュ大学と豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームが、炭素回収に利用できる感光性の有機金属構造体(MOF:metal organic framework)を発見した。CO2を吸収したMOFに光を照射すると、光に応答してCO2がMOFから放出される。2013年2月10日付けの Angewandte Chemie International Edition に論文が掲載されている。

感光性MOFを使った火力発電所などでの低コストな炭素回収貯蔵システムの実現が期待できる (出所:モナシュ大学)

現在の炭素回収技術では、液状の炭素回収材料を長時間にわたるプロセスで加熱して炭素を放出させ、これを貯蔵している。プロセスがエネルギー集約的であり、コスト高、非効率的であるという問題がある。

今回報告されたMOFでは、光スイッチングによって、スポンジを絞るように、MOFに蓄えられたCO2を搾り出すことができるという。このため炭素回収貯蔵プロセスを低コスト化できる可能性がある。

論文によると、発見されたMOFは、亜鉛をベースとした構造体 Zn(AzDC)(4,4′-BPE)0.5 であるという。配位子(AzDC)に局在する振動中心が、吸収されたCO2を放出する働きを担っていることが分かっている。アゾ基が構造的に組み込まれることによって、振動が動的かつ可逆的となり、CO2の吸収・放出サイクルが可能になる。この効果は、吸収に最適化された波長だけでなく、広帯域の光照射によって進むことも分かっているという。

CSIROの研究チームでは現在、工業用に使えるレベルまでCO2の吸収・放出レベルを引き上げるために材料の最適化に取り組んでいるとのこと。今回発見されたMOFはCO2に特化したものだが、光応答性分子を他のMOFと組み合わせることにより、様々な種類のガスの吸収放出材料が実現する可能性もあるとしている。


発表資料

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