カリフォルニア大、遺伝子操作した藍藻類の光合成による化学原料生産で記録更新。旭化成も参加

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カリフォルニア大学デイビス校の化学者チームが、遺伝子操作した藍藻類(シアノバクテリア)を使って燃料やプラスチックの前駆体を生成し、化石燃料を代替する研究を進めている。日本から、旭化成も研究に参加している。2013年1月7日付けの(PNAS)に論文が掲載されている。

化学原料の光合成に使われる藍藻。いわゆるアオコ (出所:カリフォルニア大学デイビス校)

植物や細菌の光合成では、CO2と太陽光から有機物が生成される。ただし、その生成量は少なく、そのまま化学工業に利用できるものではない。そこで研究チームは、シアノバクテリアを遺伝子操作することで、光合成による化成品原料の生産を効率的に行おうとしている。シアノバクテリアには、トウモロコシからのエタノール生産などと違って食糧とのバッティングがないという利点もある。研究リーダの同大 化学・生物分子工学助教 渥美正太氏 は「現在、ほとんどの化成品原料は化石燃料と天然ガスに由来している。それ以外の資源が必要だ」と話す。

2,3-ブタンジオールの3次元模型。グレイ:炭素、赤:酸素、白:水素 (出所:ウィキペディア)

 
今回の研究では、シアノバクテリアの一種 Synechococcus elongatus PCC7942株を使って、化成品や燃料の製造に利用できる 2,3-ブタンジオール(23BD)の合成経路を構築した。オンラインデータベースの中から目的に合った酵素を特定し、その酵素のDNAをPCC7942株の細胞に導入することで、3段階で23BDを合成できるようにした。論文によると、PCC7942株の光合成プロセスにより、3週間で成長培地1リットルあたり2.38グラムの23BDが生産できたという。これまで報告されているシアノバクテリアによる化学合成では最高の収量であり、従来と比べて生産性が大幅に増加している。今後はシステムの調整によるさらなる生産性向上をめざし、他の生成物についても実験を進めたいとしている。米国エネルギー省(DOE)では、2025年までに工業化成品生産の1/4をバイオプロセスで行うという目標を設定している。


発表資料

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