調査会社IHSアイサプライが、中国の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)についての市場予測を発表しています。それによると、2011年の中国IGBT市場の売上高は8億5900万ドル、2015年には13億ドルに拡大、2011~2015年の年平均成長率(CAGR)は13%になるとのこと。グリーンエネルギーと省電力化に対する政府の投資とエネルギー規制政策が市場成長を後押しするとしています。
IGBTモジュールは、高出力、小型化、最終製品の信頼性向上などを特徴とし、民生機器から産業用途までエレクトロニクス分野のほぼすべてのセグメントで広く使用されています。2010年のIGBTモジュール売上高は5億3700万ドルで、IGBT関連売上高の73%を占めました。ディスクリートのIGBTのシェアは27%でした。IGBT全体の売上高は前年比65%増の7億1000万ドルでした。中国のIGBT市場は、MOSFETなど他のディスクリートパワー半導体と比較しても、堅調な成長を続けています。
中国の風力発電用タービン市場は、IGBT売上げにとって重要なセグメントになっており、2010年の同セグメントの売上高は5700万ドルとなりました。しかし、2011年には風力発電の導入ペース鈍化が予想されています。これは、風力発電の系統電力への接続に関する問題などに起因するものです。とはいうものの、2020年までに化石燃料を使わないエネルギーの割合を国内電力消費量の15%まで引き上げるという政府目標が掲げられていることを考えると、中国の風力発電市場の成長性は高い、とIHSアイサプライは指摘しています。中国の第12次5か年計画によれば、2020年までの風力発電設置容量は累計で少なくとも200GWに達するとみられ、2011~2020年の追加導入量は単年で約15.5GWになる見込みです。
原文 http://bit.ly/n2dRC7
訳 SJN
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