モナシュ大、高い弾力性を持つコルクに似た三次元グラフェン構造体を作製

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

モナシュ大学の研究チームが、グラフェンを用いた三次元構造体の形成に成功したとのこと。コルクに似た構造を持っており、極めて高い弾性を示すという。航空宇宙分野から生体組織工学まで幅広い応用が期待される。2012年12月4日付けの Nature Communications に論文が掲載されている。

2000倍に拡大したコルク状グラフェンモノリスのSEM像 (Credit: Ling Qiu)

通常、グラフェンを三次元に積層すると多孔質のモノリスになり、材料としては脆くなる。グラフェンに弾力性を持たせ、歪みや圧力に対する復元力を与えることは難しいとされてきた、と研究リーダーの材料工学教授 Dan Li 氏は言う。

研究チームは、三次元的にネットワーク化されたグラフェンに弾力性を持たせるため、天然のコルクをモデルとする材料開発を行った。冷凍鋳造と呼ばれる方法を用いて、化学修飾されたグラフェンをコルク状の三次元構造体に成形した結果、80%超の変形から復元できる高い弾力性を持ったグラフェンブロックが得られたという。この材料は弾力性と同時に、非常に軽量で、自重の5万倍の重さを支えることができ、導電性に優れるといった特性を持っている。論文で報告されているサンプルの重量密度は、重いものでも5.10mg/cm3。サンプルによっては0.56mg/cm3しかなく、空気よりも軽い。

冷凍鋳造法によるコルク状グラフェンモノリスの形成機構 (Ling Qiu et al., Nature Communications (2012) doi:10.1038/ncomms2251)

図(a)(b)は、今回開発されたグラフェン弾性材料を上から見た画像。図(c)は、同じ材料を横から見た画像。スケールバーは、(a)と(c)が50μm、(b)が10μm。図(d)は、冷凍鋳造法によるコルク状グラフェンモノリスの形成機構を模式的に示している。部分的に還元された酸化グラフェン(pr-GO)を分散させた溶液を凍結すると、氷の結晶の境界面にpr-GOシートが集中し、圧縮効果によって氷の結晶成長方向に配向。その結果、連続的なハチの巣状のネットワークが形成される。氷が融けてもネットワークの形状は維持される。図中、茶色の波線で表されているのがpr-GO。黒い波線は、完全に還元された酸化グラフェンを表している。


発表資料

おすすめ記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...