ライス大、グラフェンとCNTのハイブリッド体を作製。スーパーキャパシタ部材などに応用期待

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ライス大学の研究チームが、グラフェンシート上に多数のカーボンナノチューブ(CNT)を急速成長させることに成功した。CNTは120μmの長さまで成長するという。高い導電性と大きな表面積を得られるため次世代キャパシタなどへの応用が期待される。2012年11月27日付の Nature Communications に論文が掲載されている。

グラフェン上に直接成長したCNTのイメージ。グラフェンからCNTへの遷移部分(赤色)は、七員環となっている(Credit: Tour Group/Rice University)

グラフェンとCNTが継ぎ目なくつながった三次元の構造体を作製した。グラフェンとCNTの結合部分では炭素原子の共有結合が形成されており、単にグラフェン上にCNTが載っているのではなく、CNTがグラフェンの一部を構成するハイブリッド体となっている。

「金属電極へのCNTの接合を試みた研究は数多くあるが、わずかな電子的障壁が界面に生じるため、うまくいった例はない」と研究リーダーの化学者 James Tour 氏は指摘する。一方、今回の方法では、金属(銅)上にグラフェンを成膜し、その次にグラフェン上でCNTを成長させるため、CNTと金属電極の電気的接点がオーミックコンタクトになるという。これはグラフェン/CNTハイブリッド体が切れ目のない1つの材料であり、電子の流れに変化が起きないことを意味している。また、グラフェン/CNTハイブリッド体の表面積は、1gあたり2000m2と非常に大きくなるという。大容量の急速充放電が可能なスーパーキャパシタなど、電子部品用途への応用が期待できる。

グラフェン上に成長したCNTの束の最上部(Credit: Tour Group/Rice University)

グラフェンからCNTへの遷移部分は、炭素の七員環構造となる。こうした材料構造は理論的に予想されていたが、今回サブナノ分解能での電子顕微鏡像によって実際に確認された。

グラフェン/CNTハイブリッド体の合成プロセス(Credit: Tour Group/Rice University)

グラフェン/CNTハイブリッド体の合成プロセスでは、まず1000℃のCVDによって銅箔上にグラフェンを成膜する。次に、グラフェン成膜された銅箔上へ、電子線蒸着によって鉄とアルミナを堆積させる。750℃のCVDによって、グラフェン表面にCNTを直接成長させる。このとき鉄触媒層とアルミナ保護層がCNTの成長によって下から持ち上げられる。CNTは単層、二層、三層で成長していることが電子顕微鏡像で観察されている。


発表資料

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