米アルゴンヌ国立研究所、微小な物体をつかんだり運んだりできるマイクロロボット開発。交流磁場で動きを制御

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米アルゴンヌ国立研究所の Alexey Snezhko氏と Igor Aronson氏が、交流磁場をかけて動きの制御が可能な0.5mm径のマイクロロボットを開発したとのこと。このロボット自体も、混じり合わない2種類の液体の間に挟み込まれたマイクロ径の強磁性粒子に交流磁場をかけることで自己組織化的に組み立てることができるそうです。

強磁性粒子で構成されたマイクロロボット「アスターズ」。磁場をかけることによって液体中での動きの制御や自己組織化が可能 (Photo courtesy of Argonne National Laboratory)

磁場がかかっていない時には、液体中の粒子はバラバラに漂っていますが、交流磁場を液体表面に対して垂直に印加すると、自己組織化によって粒子が集まり、トゲトゲのある円状のデバイスが形成されます。研究チームは、花の名前にちなんでこのデバイスを「アスターズ」と名付けています。

アスターズはそのままでは動きませんが、第二の弱い磁場を表面に平行に印加すると、デバイスが泳ぎ始めます。これは、磁場によってアスターズの流体力学的な流れの対称性が破られるためであるといいます。

アスターズの動きは、磁場を変化させることで、遠隔操作することができます。アスターズが顎を開いたり閉じたりするような動きをさせることもできるので、周囲の物体をつかんだり離したりできるミニロボットとして利用することも可能です。デバイス自体よりも大きな物体を運搬することもできます。


▲ガラスビーズを「顎」で挟んで運ぶアスターズ。ガラスビーズの重量はアスターズの4倍ある (Video courtesy of Argonne National Laboratory)

研究チームは、アスターズを形成する流れに2つのフレーバー(流れの特性)があることも発見しました。1つはアスターズの中心に向かって循環する流れ、もう1つは外側へ循環する流れです。そして、アスターズは、フレーバーに対して反対方向へと泳いでいくのです。この性質を利用すると、対向する流れを使ってアスターズにいろいろな作業をさせることができるといいます。

例えば、4つのアスターズを使って電気掃除機のように周囲を浮遊する粒子を吸い取ることもできます。


▲掃除機として働くアスターズ(Video courtesy of Argonne National Laboratory)

「アスターズは非常に小さな力で物体に働きかけることができますが、これはロボット工学分野にとって大きな課題なんです」とAronson氏は話しています。「従来のロボットでは、脆い物体を潰さずにつかむのは難しいことでした」

これまで開発されてきたマイクロスケールでの物体操作技術には、レーザーを使った操作と機械的なマイクロマニピュレータがありますが、アスターズはこの2つの技術の隙間を埋めるものだといいます。非常に弱い力しか使えないレーザーによるマイクロ粒子捕獲技術と比べると、アスターズはかなり強い力を出すことができ、しかも、機械的なマイクロマニピュレータよりも繊細なハンドリングができるからです。

また、構成材料に自己修復能力があるため、粒子が失われた場合でも、アスターズは簡単に自分を作り直すことが可能であるとしています。

原文 http://1.usa.gov/plU8lj
訳 SJN

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