ライス大、ナノ粒子利用したソーラー蒸気発生技術を開発

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ライス大学の研究チームが、ナノ粒子を使った高効率のソーラー蒸気発生技術を開発したとのこと。液体中に分散したナノ粒子が太陽光エネルギーを吸収して熱に変換。粒子近傍の水が沸騰し、蒸気が発生する。2012年11月19日付けの ACS Nano に論文が掲載されている。

太陽光から蒸気へのエネルギー変換効率は24%程度あり、技術的にはさらに向上可能であるとする。主な用途は発電ではなく、発展途上国での滅菌消毒や浄水が考えられている。アルコールの蒸留などにも応用でき、従来の蒸留塔に比べて2.5倍程度の効率が実証されている。

同技術は、光の波長より小さな金属ナノ粒子が、表面プラズモン効果によって強力な光吸収体となることを利用している。光散乱によって再放射されないエネルギーは、表面プラズモン共鳴で励起されると、ランダウ減衰によって散逸する。この結果、粒子表面近傍のナノスケールの領域で劇的な温度上昇が起こる。同現象は、光熱癌治療、レーザー誘導による薬物放出、バイオイメージングなどで利用されているが、水の沸騰に応用した例は今回がはじめてであるという。

ソーラー蒸気発生装置。容器内に収めたナノ粒子分散液に太陽光を集光して蒸気を発生させる (Photo by Jeff Fitlow)

ナノ粒子を利用したソーラー蒸気発生のしくみ (Oara Neumann et al., ACS Nano(2012) doi:10.1021/nn304948h)

ライス大が公開しているソーラー蒸気発生装置実験の動画では、ナノ粒子分散液の入った試験管を氷水の容器に漬け、レンズで集光した太陽光を試験管に当てることで氷水から蒸気が発生する様子が示されている。

すでに同技術で生成したソーラー蒸気によって動作するオートクレーブ(加圧滅菌器)が装置化されており、無電化地域の医療施設での医用器具の滅菌消毒に使用できる。チームリーダーの科学者 Naomi Halas 氏は、ビル・ゲイツ財団からの助成を受け、電気・下水道のない地域での超小型し尿処理システムの開発も行っている。


発表資料

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