ライス大、酸化黒鉛を簡単にスーパーキャパシタに変える方法を発見。レーザーでパターンつけるだけ、添加剤も不要

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ライス大の研究チームが酸化黒鉛(GO: graphite oxide)を簡単にスーパーキャパシタに変える方法を発見したとのこと。CO2レーザーを使ってシート状のGO表面にパターンをつけるだけで良いそうです。添加剤なども必要ありません。

酸化黒鉛の表面をレーザーパターニングして作製したスーパーキャパシタ (Image courtesy of Rice University))

GOをレーザーで加熱すると、導電性の還元型酸化黒鉛(RGO: reduced graphite oxide)が作られるということは以前から知られていました。そこで、GO表面にRGOのパターンをレーザー加工によって形成すると、スーパーキャパシタとして機能するようになったといいます。スーパーキャパシタは、導電性を持つ電極材料とそれを隔てる絶縁体、絶縁体に含まれる電解質とで構成されます。つまり、今回の技術は、レーザーで描かれた導電性RGOのパターンがGOによって分離されることで、蓄電デバイスとして機能するようになるという仕組みです。

実験の結果、レーザーの熱でGO表面に酸素が吸い上げられることで形成される暗色の多孔質RGOには、スーパーキャパシタ性能を出すために必要な電気抵抗があり、GOが吸蔵したイオンを放電時まで保持する能力も持っていることが分かりました。描かれたパターンの精度は1μm程度とのこと。

この技術は、水和した状態のGOがイオン吸蔵能力を持ち、固体電解質およびセパレータとしての役目も果たすという性質を利用しています。GOがこのような特性を持つのは、スポンジのように水を吸収し、最大で重量の16%の水を保持できるからだといいます。

「この技術の本当にすごいところは、含水したGOがイオン伝導体として機能するということです」と研究チームのリーダー Pulickel Ajayan氏は言います。「GOをスーパーキャパシタに変えるときに、化学的な添加剤を一切使わなくて済みます。パターンを作って電極を付けるだけでいいんです」

研究チームは、GOをRGOで挟み込んだデバイスを真空中で処理して完全に脱水し、イオン伝導性をなくす実験を行いましたが、その後3時間空気中にさらすと、スーパーキャパシタの機能や、その他の有用な特性は完全に回復したといいます。

また、ライス大とデラウェア大が共同でデバイス評価を行ったところ、既存の薄膜マイクロ・スーパーキャパシタと同等の性能があると分かったとのこと。プロトン輸送特性は、1960年代に発見され商用化されている電解質膜のナフィオンに似ているとしています。

まだ大量生産技術は確立されていないものの、将来的には、リチウムイオン電池や燃料電池などへの同材料の利用も期待できそうです。

原文 http://bit.ly/mYF0GQ
訳 SJN

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