富士フイルム、皮膚に貼るだけで薬剤を体内に送達するマイクロニードルアレイ開発

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富士フイルムが、皮膚に貼るだけで薬剤を体内に届けることができるドラッグデリバリー手段「マイクロニードルアレイ」を開発した。100~2000μmの長さの微細な突起をシート上に配した薬剤送達部材で、皮膚表面に貼ることで、突起部分から薬剤を皮膚に浸透させ、体内に届けることができる。

マイクロニードルアレイ。ニードルのサイズは500μm長×200μm径 (富士フイルム)

マイクロニードルアレイの突起部分は、皮膚に貼っても注射のような痛みを感じない。また、患部に薬剤を効率よく届けることができるため、薬剤投与の新しい手段と期待されている。今回同社が開発したマイクロニードルアレイは、突起部分に注射剤成分として使用実績のある多糖類などを使用。突起そのものが数分以内に皮膚下で溶解し、突起中に充填された薬剤を体内に届ける自己溶解型となっている。現在開発されているマイクロニードルアレイには、自己溶解型以外に薬剤を突起部分に塗るコーティング型などもあるが、突起部分が体内で溶解しないタイプには、突起部分が折れて体内に残る危険性がある。これに対し、自己溶解型は、突起そのものが消失するため、高い安全性が実現できるという。

同社のマイクロニードルアレイには、写真フィルムの製造で蓄積した精密加工技術などが応用されている。突起の長さや形状を自由に設計することができ、大量生産も可能であるとする。

薬剤の代わりに突起部に色素を充填したマイクロニードルアレイ。1000μm長×170μm径 (富士フイルム)

同社は現在、ワクチンやホルモンを充填したマイクロニードルアレイの動物実験を実施している。マウスへのワクチン投与実験では、注射と比べて同等量以上の抗体が生成されることを確認しているという。今後、ヒトでの臨床研究の実施に向けて準備を進める。来年後半の稼働を目指して、 Good Manufacturing Practice(GMP)準拠の治験薬製造設備も整備していく。自社製品化とともに、他の製薬メーカーなどとの協業によるマイクロニードルアレイの用途開拓も進めていく。


発表資料

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