調査会社IHSアイサプライが、2011年の米国太陽電池市場予測を発表しています。それによると、2011年の米国での太陽電池設置容量は前年比166%増の2.4GWに増加する見込みとのこと。米国は2010年も同80%増の900MW超と高い伸びを記録しましたが、今年はその2倍という高水準での拡大となりそうです。太陽電池の設置事業案件も、2010年の3万9000件からさらに増え、4万9000件に上ると予想されます。
この2.4GWをセグメント別にみると、地上設置型が1.4GW、商業施設への設置が710MW、住宅用が270MWなどとなっており、電力会社によるメガソーラー事業が市場拡大を牽引していることが分かります。アイサプライでは、米国での太陽電池設置が今後数年間は増加を続けるとしており、2012年に3.1GW、2015年には5.5GWに達すると予想。欧州では来年、太陽光補助政策の縮小を受けて市場が後退するとみられていますが、米国市場では米エネルギー省による助成金に支えられ、大規模プロジェクトも資金調達コストを抑えて実施できるとしています。
州別にみると、カリフォルニア州での設置が最も多く1GW、次いで2位ニュージャージー州が260MW、3位アリゾナ州が240GW、4位ニューメキシコ州が140MW、5位ネバダ州が120MW。6~10位は、ペンシルバニア州、フロリダ州、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、コロラド州の順となっています。ネバダ州が上位10位に入るのは今回が初めて。一方、2位のニュージャージー州は、政府の補助が徐々に減っていくことを考慮すると、やや厳しい状況となるかもしれない、としています。
再生可能エネルギーの大量導入を求めるRPS制度に沿って、2020年まで、多くの州で高い成長性が見込まれています。ミシガン州、カンザス州、ワシントン州では、太陽光など再生可能エネルギーの割合を2015年から2020年までに10%から20%に引き上げる目標値を設定。ニューメキシコ州も、大規模事業を進めることで、2020年までに10%導入の目標を掲げています。
ニューヨーク州での再生可能エネルギー拡大は、来年以降の4年間が最も加速し、2011~2015年の5年間の年平均成長率(CAGR)は29%になると予想されます。また、もっと成長性が高いのはコロラド州で、2010年の再生可能エネルギー導入割合は5%でしたが、2020年には27%まで拡大することが目標とされています。
原文 http://bit.ly/rqwSd1
訳 SJN
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