東北大、世界初・2層グラフェン層間化合物を作製。マイクロバッテリや超薄膜超伝導デバイスに応用期待

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東北大学原子分子材料科学高等研究機構の菅原克明助教、一杉太郎准教授、高橋隆教授らの研究グループは、グラファイト2層の間にカルシウム原子を挿入したサンドウィッチ状の2層グラフェン層間化合物の作製に世界で初めて成功した。グラフェンを用いた高効率なマイクロバッテリや超薄膜超伝導デバイスへの応用が期待される。米国科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版に論文が掲載される。

2層グラフェン層間化合物の構造と観察手法 (出所:東北大学)

グラファイトの層間にカルシウムなどの金属原子を挿入したグラファイト層間化合物は、低温で電気抵抗がゼロとなる超伝導を示すことが知られている。また、リチウムイオン電池の負極材にも用いられている。このグラファイト層間化合物を最も薄くしたものが2層グラフェン層間化合物であり、金属原子の出入りが従来のバルク体に比べて遙かに速く高効率のため、高速マイクロバッテリの電極材料としての利用が提案されている。さらに、グラフェン層間化合物における超伝導発現の可能性など、超薄膜超伝導デバイスへの可能性も検討されている。しかし、高品質なグラフェン層間化合物は、作製法が確立されていなかった。

今回、東北大の研究グループは、黒鉛超伝導体で最も高い超伝導転移温度を持つカルシウム-グラファイト層間化合物(C6Ca)の最も薄い極限である2層グラフェン層間化合物(C6CaC6)の作製に成功した。プロセスは、まずリチウム-グラファイト層間化合物を作製し、次にリチウムとカルシウムを「原子交換法」によって交換してカルシウム-グラフェン層間化合物を得た。

このカルシウム-グラフェン層間化合物の性質を、光電子分光法と走査トンネル顕微鏡を用いて調べた結果、バルクのグラファイト層間化合物で超伝導発現の起源と考えられているグラファイト層間電子が、2層グラフェン層間化合物でも存在していることを見出した。今後は、同手法を用いて作製されたグラフェン層間化合物の研究から、金属原子の出入りの機構とその制御、さらに超伝導などの特異な性質の理解が進むとみられる。


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「東北大、世界初・2層グラフェン層間化合物を作製。マイクロバッテリや超薄膜超伝導デバイスに応用期待」への1件のフィードバック

  1.  そういえば日立金属が自己潤滑性工具鋼、SLD-MAGICにもにたような原理で、グラファイト層間化合物による自己潤滑性能を実現しているらしい。信州大の遠藤守信教授も絶賛していた。

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