IBM、1万個以上のCNTデバイスを1チップ上に精密配置。CNTトランジスタ実用化に道

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IBMが、1万個以上のカーボンナノチューブ(CNT)デバイスを1チップ上に精度よく配置する技術を開発した。シリコン半導体の微細化限界を超える次世代CNTデバイスの実用化につながる技術として注目される。2012年10月28日付 Nature Nanotechnology オンライン版に論文が掲載されている。

ハフニウム酸化膜上に選択的に堆積したカーボンナノチューブのSEM画像。スケールバーは2μm (Credit: IBM)

研究チームは今回、イオン交換技術を用いて、1cm2あたり10億個という高密度でCNTを精度よく配列させることに成功した。これまでの報告と比べて、2桁高い集積密度となっている。

CNTと界面活性剤を混合し、CNTを水溶性にした。基板上には、ハフニウム酸化膜(HfO2)とシリコン酸化膜(SiO2)で構成されたトレンチ構造を形成。この基板をCNT溶液に浸すと、CNTが化学結合によってHfO2の領域だけに選択的に付着した。

界面活性剤を使って水溶性にしたCNTの溶液 (Credit: IBM)

この方法を標準的な半導体製造プロセスに適用し、1チップ上に1万個以上の半導体型CNTデバイスを配置し、電気的テストも行った。このように大規模に配置されたCNTデバイスの特性を調べる技術は、トランジスタ性能、収率、半導体型CNTの純度などを分析する上で重要であるとしている。

CNTをトランジスタなど電子デバイスとして実用化するためには、今回報告された基板上へのCNTの精密配置が非常に重要な技術となる。その他にも、CNT成長時にランダムに生成される半導体型CNTと金属型CNTを分離し、金属型を完全に取り除く技術などが不可欠とされる。

IBMは、今年の初めにチャネル長10nm以下で良好なスイッチング特性を示すCNTトランジスタの作製にも成功している(Nano Letters 掲載論文)。今回の技術と合わせ、デバイス分野でのCNT実用化に加速がかかると期待される。


発表資料

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