ライス大、シリコン酸化膜とグラフェンによる透明・フレキシブルな不揮発性メモリを開発

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ライス大学の研究チームが、シリコン酸化膜とグラフェンを用いて透明でフレキシブルな不揮発性抵抗変化メモリを開発したとのこと。ヘッドアップディスプレイをはじめ、さまざまな電子機器への応用が考えられる。2012年10月2日付の Nature Communications に論文が掲載されている。

クロスバー端子にグラフェンを用いた透明・フレキシブルな抵抗変化メモリ。電圧印加によってシリコン酸化膜チャネルにシリコンナノ結晶が生じることで抵抗が変化する現象を不揮発性メモリの動作に利用している (Credit: Jun Yao/Rice University)

このデバイスでは、スイッチング特性のあるシリコン酸化膜を活性材料として利用している。シリコン酸化膜に電圧をかけると、5nm幅のチャネルから酸素原子が奪われ、シリコン酸化膜中に導電性のある金属シリコンのナノ結晶が生成される。電圧を下げると、ナノ結晶は縮小してリセットされる。このスイッチングによる抵抗変化をデジタル信号の1/0に対応させることで不揮発性メモリとして動作させることができる。スイッチングは数千サイクルの繰り返しが可能であるという。

シリコン酸化膜チャネルとグラフェン電極によるクロスバー構造をプラスチック基板上に形成することで透過率95%のフレキシブルメモリを作製した。シリコン酸化膜のスイッチングプロセスで形成されるシリコンの伝導フィラメントは、デバイスのサイズが小さくなっても電流レベルが下がらないため、微細化による高密度メモリへの応用が可能であると考えられる。また、通常のフラッシュメモリが3端子であるのに対して、今回のデバイスはよりシンプルな2端子構造であるため、3次元積層による大容量化にも対応しやすい。多値化によって大容量化をさらに進めることもできるとする。

シリコン酸化膜への電圧印加によってシリコンナノ結晶が形成される様子をTEMで観察。(a)OFF状態のナノギャップ領域にみられる非晶質構造、(b)および(c)ON状態で形成されたナノ結晶、(d)リセットプロセスでナノ結晶が縮小。左側のI-V曲線に付した番号は掃引の順序を表す (Jun Yao et al., Nature Scientific Reports (2012) doi:10.1038/srep00242)


発表資料

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