DARPA、体内で溶けてなくなる医療用シリコンチップ開発

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米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が、液体に溶ける医療用シリコンチップを開発。同技術を用いて、一定時間後に体内で溶けてなくなる殺菌デバイスを試作したとのこと。戦場での兵士へのインプラント型医療処置などに応用していくという。2012年9月28日付の Science に論文が掲載されている。

水滴によって溶けたデバイス。トランジスタ、ダイオード、インダクタ、キャパシタなど、すべてのコンポーネントが薄い絹の基板上に形成される (出所:DARPA)

今回のデバイスは、生体適合材料である絹の中にシリコンとマグネシウムを封止した極薄シートを使って作製されている。絹の厚さと結晶化度によって、デバイスが溶けるまでにかかる時間(数日、数時間あるいは数分)が決まるという。シリコンとマグネシウムはもともと人体内に微量に存在しており、デバイスに使用されている量は生理的レベルよりも低いため、こうしたデバイスには生体適合性と環境親和性があるとする。

同技術を使って試作された体内埋め込み型の殺菌デバイスは、手術部位の感染を防ぐために、抗生物質を使わずプログラム制御によって殺菌を行うものであり、使用後は健康への影響なく体内に溶出される。このような生分解性医療材料を用いることで、戦場に展開された兵士に対して摘出手術を必要としない遠隔医療を行うことができるようになる。


▲デバイスが液中で溶けてなくなる様子 (出所:DARPA)

「可溶性デバイスを局所的な抗菌療法に応用できれば大きな進歩となるでしょう」とDARPAのプログラムマネジャー Alicia Jackson 氏。「ペースメーカーや人工関節のような現在のインプラント器具には、局部的な感染症をおこすという限界があるのです。薄膜状のアップリケを施して局部的に表面を加熱滅菌するデバイスを埋め込むことで、抗生物質耐性菌が存在する場合であっても、感染症の防止が期待できます。感染を防止する手段があれば、多くのインプラント器具の効能を高めることができ、最終的には患者の罹患率と死亡率の低減が可能になります」と語る。


発表資料

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