ソーラーバズ、アジア太平洋地域の太陽電池市場予測と政策動向まとめ。2015年には世界需要の26%占める

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ソーラーバズが発表した予測によると、アジア太平洋地域の太陽光発電市場は2015年に世界全体の需要の1/4を占めるようになるとのこと。また、中国・日本・インド・オーストラリア・韓国の上位5国の2011年の需要量については、3.3GWとしています。

アジア太平洋地域における太陽光発電利用者セグメント別のシェア予測 (source: Solarbuzz)

中国・インド・オーストラリアでは送電網に接続された太陽光発電の市場が立ち上がりつつあり、日本と韓国では政策転換により今後2年間で国内需要を再び喚起しようとしています。中国は現在、太陽電池の生産拠点としてほぼ50%の世界シェアを持つようになっていますが、国および地方政府は国内需要の喚起も行っているところです。これにより、2011年の中国市場は前年比174%超まで拡大すると見られます。

「アジア太平洋地域では高い市場成長が予想されます。特に中国とインドでは、ギガワット級のパイプライン事業が複数進んでいます。しかしながら、これらのプロジェクトの多くが直面している最大の問題は、政策・規制環境がいまだに変化し続けている中で、資金を確保していく必要があるということです」とソーラーバズ代表のCraig Stevens氏は述べています。「政策が奏功し、アジア太平洋地域で予想されている成長が実現すれば、欧州におけるインセンティブ削減の影響が緩和されることになるでしょう」

太陽光発電の利用者という観点では、現在の主流である住宅への設置にかわって電力会社が最大のセグメントとなり、成長を牽引すると予想されます。

日本: 新しい太陽光発電振興策による需要喚起

全国的なフィードインタリフ(FIT)制度の実施にともない2011年の日本での新規設置容量は少なくとも1.29GWと予想されます。非住宅向けの設置は全体としては少ないものの、成長率では住宅向けの2倍超で拡大しています。2010年、日本の太陽電池設置容量は2年連続で倍増して960MWとなり、世界第4位の市場規模となりました。これは、住宅向け補助金制度の再開とFIT導入によるものです。福島原発事故を契機に、国内セルメーカーからは再生可能エネルギー推進政策への要求が高っています。一方、輸入モジュールのシェアも前年比138%と拡大しており、2010年にはモジュール出荷量全体の13%を占めました。

中国: ギガワット級の成長始まる

中国では、電力会社向けの大規模太陽光発電導入促進政策により、2011年には送電網に接続された太陽電池設置容量の倍増が予想されます。2010年における中国での需要の85%は1MW超のプロジェクトによるものであり、2011年には青海省で計画されているプロジェクトがこれをさらに加速するでしょう。江蘇省と山東省でのFIT政策も国内全体の需要喚起に著しく貢献しました。国家および地方政府レベルでの政策環境の改善と10GW近いプロジェクト・パイプラインの進行に伴って、中国の太陽電池市場は2015年まで高い成長を続けるでしょう。

インド: 送電網への接続量が増大

インドでは、送電網に接続された地上設置型太陽光発電システムが市場を牽引すると予想されます。2011年の設置容量は少なくとも前年比2倍となると見られます。政府によるソーラー事業に加え、ジャグラート州、ラジャスタン州、マハラシュトラ州での地方レベルの政策も高い成長を牽引しています。2011年は、これら3つの州がインド市場全体の70%を占めるでしょう。政府は2022年までに新規の太陽電池設置量を22GWとする目標を掲げており、ソーラー事業の一環として2011~2012年に300MWの送電網接続型太陽電池を設置する方針であり、2011年下半期にはさらに300MWの追加割り当てが行われることになっています。初期段階でのプロジェクトは投資コストの高さ、低い利益、規制のハードルなどによる挫折を経験したものの、プロジェクトの指針の再構築が行われることで、今後のプロジェクト成功率はより向上すると見られます。2011年6月現在、2013年までに完了予定の送電網接続型プロジェクト・パイプラインは1.5GWとなっています。

韓国: RPS制度へ移行

FITプログラムが段階的に廃止されるため、2011年の韓国市場は縮小が予想されていますが、RPS制度(再生可能エネルギーの利用割合設定)の新規導入によって長期的な成長可能性は確かなものになると言えるでしょう。過去数年と比較すると導入ペースは遅くなるものの、RPS制度による今後5年間の太陽電池新規設置容量は1.2GWと予想されます。2010年には、FITとRPSのインセンティブ低下によって大規模な地上設置型システムの設置は鈍化し、一方で屋根置き型の拡大が促されました。韓国政府は小規模な屋根置き型への助成を行おうとしており、この傾向は今後数年間は続くものと見られます。

オーストラリア: 不安定な政策動向ながらも市場拡大

オーストラリア政府の最近のエネルギー政策は炭素税の形式をとっており、2015年にはキャップ・アンド・トレード制度への移行が予定されています。この政策の導入は、いくつかの急激な政策変更の後に行われることになります。そうした政策変更の例としては、オーストラリアの代表的な太陽光促進プログラムであるソーラークレジットにおける補助金縮小幅の増加や、いくつかの州で実施されたFITプログラムの破たんといったことなどが挙げられます。太陽電池設置需要を政府がコントロールしようとしたにもかかわらず、2010年には前年比431%という成長率がもたらされました。世界的なモジュール価格の下落による設置コストの低下、認可を得た設置事業者数の増加、電気料金値上げ予測などの理由から、太陽光発電システムの経済性は向上しています。ニューサウスウェールズ州はオーストラリア市場全体の44%を占めていますが、現在は、4月にソーラー・ボーナス・スキームが中止されたことを受けた市場の混乱に直面しています。始まっては中止となる不安定な太陽光政策が、オーストラリアの太陽電池産業の長期的・持続的成長にとって最大の障害となっています。

原文 http://bit.ly/pcyEUT
訳出 SJN

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